上原ひろこさんの講演@日置市中央公民館 2012年6月13日(水)
(脱原発首長会議事務局長/東京で初の女性市長・国立市で2期8年市長を務める)
皆さんが(知事さんを)選ぶ時には「真剣に腹を据えて、責任をとる人がどうか」で決めて頂きたいんです。特に今回は「命の問題」ですから。
皆さん、今までどういうカタチで知事さんを選んでいましたか?多分、(候補者は)こういう言い方をしたと思うんです「私は国と強いパイプを持っていますから、補助金を沢山取ってきます」。だから、天下りの方が知事になる訳でしょう。でも、申し訳ないけど、ずっとそういう人が知事という県は、あまり聞いた事がありません。「おらが村から出た人を知事にしたいな」と、普通は頑張るんですけど、どうしちゃったんでしょう?鹿児島はずっと(中央から)送り込まれて来て、強いパイプがあったから、余計な国の仕事をしてきたんです。(パイプが)強ければ強い程押し付けられるんですよ。補助金をもらうのと一緒に、余計な仕事を。それが、バブルの時は良かったですよ。どんどんどんどん補助金もらって公共事業をバンバンやって、雇用が発生して活性化して、みんなの経済が潤ったかも知れないけれども。ハッと気がついたら野山は崩れ去って、そしてバブルが崩壊したら借金だらけ。(中略)借金を山ほどかかえて、福祉なんかに手当をしていられない状況になったんです。もう、今後は強いパイプのある人はお断りいたしましょう。そして「我が県民は私が体を張って守ります」と言い切れる人を選ぶべきです。それは皆さんの命の問題だし、私たち大人は、余計なことをさせてしまった責任として、子供や孫に「ごめんなさい。これからはしっかり変えます。そのために、私たちと一緒に、国に対抗してくれるくらいの、気概のある人を選びますから。」そういう風に言わなきゃいけない。「はいはい」と、国から「これやりなさい」と言われ「はい。わかりました」という様な人は、もうこれからご免です。と言った方がいいと思います。(中略)そういう理由で国立市民は私を選んだんです。法律があるからとか、国がこう言っているからとかではなく。国立市民は誇りの高い市民ですから。だから、国にもちゃんと対抗して、東京都から「補助金をあげない」と言われても、き然と言う。(中略)(私は)「市民自治」とことを標語として公約でやりました。私一人は絶対頑張らない。みんなが一緒に頑張るという、決める時も、考える時もみんなが一緒。約束よ!という事で(市長に)なりましたから。(中略)町の政治がみんなの政治に変わったんです。そうやって乗り越えて「景観法」という法律も、市民ががんばったおかげで作りました。
だから、今回、鹿児島はその時です。(じゃっど!と会場から声)これまで体を張ってやってきた人ですから、体を張って原発を止めれば全てが変わるって信じて。・・・ほんとに、経済も変わりますからね。うち(国立市)は、経済力ないんです。結構お金持ち住んでいるけど企業がないから本当に貧乏な町でした。借金もいっぱいありました。でも、私の時に55億の借金を返した上に、賞をもらう事業が沢山出来たんです。モノを作るんじゃなくて、人が育つ。人を育てる、人が作り上げるっていう仕掛けをしたから。だから、みんなが「この人のために一緒にやってやろう」という気持ちで動けば、経済は本当に前向きになるんです。だって(鹿児島には)良いものいっぱいあるんですもん。(被災地周辺の汚染されている空気や食糧の話・中略)多分みなさんは、わからないと思います。その大切さは、失われてみて、初めてその貴重さがわかるんだと思います。。だけど、まだ間に合うんです皆さん。今は。地震が来てからでは間に合いません。政府は想定外って言って、責任逃れをしましたけれども、物事はいつも想定外です、起こるのは。法律は範囲内でしか作ってない。目の前の。想像力ってそんなもんですから。想定外に対応するためには、超法規的に「住民の命が危ない」と判断出来る首長がとても重要なんです。(福島の例・中略)想定外は常にやってくる。その時に「私が腹をくくって責任を持てます」というトップを選ぶ。それが皆さんのとってもとっても大事な選挙です。この後に、山口県でも知事選挙があります。一緒に活動させて頂いている飯田哲也さんという、代替エネルギー、地域エネルギーをずっと提唱してきた人が決断して、知事選に出る事になりました。「薩長連合」が出来ます!革命です!だから、本当の意味で日本中で注目をしております。鹿児島が動けば、そういう知事選があちこちに起こるに違いないんです。そういう意味で皆さんが責任を持たなければいけない選挙だと思います。候補者の行けるところは僅かです。(鹿児島は)こんなに広いんですから。(投票日まで)短いんですから。だから皆さんは、彼(向原氏)に成り代わって宣伝をしてください。(中略)私たちの、子供たちの、孫達の命がかかってるから。もう自分たちでちゃんと決めようね。歴史を変えようね。そう言ってください。ホントに本気で!(中略)そして、風が起こって、選挙は変わってきます。私の時も、誰も当選するとは思ってなかったんですよ。特にマスコミは「女が出たってね」くらいにしか思っていなかった。だけどそうじゃなくて、ゴソゴソゴソゴソといろんな人が動き始めてね。ビックリ。東京で初めての女性市長が誕生しちゃった。組織もないのに・・・っていう状況が。市民が風を起こしましたから。皆さんが風を起こしてください!そして、全国に希望を与えて頂ければと思います!
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追記
国立は僕が20歳まで暮らしていた町だっただけに、このタイミングで地元でお話が聞けたという事に運命的なものを感じた。上原さんのおっしゃるとおり、鹿児島で起こった風は、全国に希望を与えると思う。「ひとり一票」とはいえ、他の46都道府県分も合わせた、少なくとも47票以上の価値はある筈だ。
しばらく、鹿児島県知事選挙に関するネタが大半を占める事になると思いますが、日本の未来を左右する重要な問題ですので、どうかご理解ください。