イベントというのはどうしてこうも重なるのだろうか。
★鹿児島県民交流センターで行われた「デザイン百覧会」では竹添デザイン室の竹添星児さんが企画発行・編集した「Kagoshima illustrators file 2012」を頂きました。中之間ともこ・迫アユミ・有馬憲吾・にしおかりえ・上坂元均・馬頭理沙・あごぱん・ドラベッラ・バーバラ・シゲノブナミコ・竹添星児(敬称略)の10名の作家が収録されています。「鹿児島にはイラストレーションシーンがない」という話を良く聞きますが(僕の周りだけ?)、是非ともシーンを作り上げて欲しい若い作家たちです。
★「吹上ワンダーマップ」でも、オリジナル缶バッジのガチャポンに2回チャレンジ。何と「シークレット」が当たったらしい・・・(地がピンクの方)。「カズヒロハカタ 天才にゃ〜♪」と書いてありました。こちらは、日置市吹上町の数カ所を舞台に散策しながら楽しむアートイベントです。
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どちらも会期中にレポートするべきでしたが遅れてしまいました、すみません。
Monthly: 2012年2月
デザイン百覧会と吹上ワンダーマップ
蓄音機と演奏会とジャズの夜
3月に鹿児島市住吉町7-18にオープン予定の「Sitieraホール・Sitiera音楽教室」。3月25日に「蓄音機と演奏会とジャズの夜」が開催されます。
第一部は「蓄音機で聴く、SP盤のコンサート」と題して、前田晋作さんが再生と案内役を務めます。前田さんは鹿児島では「言わずと知れた」方・・・。普段は僕が住む隣町の日吉町で古くから続く洋菓子店「前田家」のオーナーとして活躍されています。先日発売された「続・ぼくの鹿児島案内」でも紹介されている他、雑誌「BRUTUS」には前田家の角食(食パン)も登場していましたね。前田さんのオフの姿も、「元祖DJ」とも言える蓄音機の演奏家として有名です。このブログでも何度か登場しています。関連記事→(1)(2)(3)(4)(5)。まだお聴きになったことがない方は、是非会場で生の音を体験してください。
第二部はジャズライブです。Alto Sax 尾崎佳奈子、Piano 青野進也、Bass 有村譲治のトリオです。
どうぞよろしくお願いいたします!
John Deereのカレンダー
トイレに飾るカレンダーを探していたところ、John Deereのヤツを発見!2月も終わりですが、先週届きました。輸入のミニカーを通じて知ったメーカーですが、向こうでは随分とメジャーな建設機械や農業系マシンのメーカーなんだろうと思います。田原総一郎さんが「日本の農業はもっとチャーミングでなくてはならない」と何度か発言していました。確かにそうです。プロが使うもの、アマチュアでもいいのですが、持っていて「楽しい!」と思わせる物がまだまだ不足していると思います。近所の量販店には様々な農機具が並んでいますが、パッと見、高齢者向けの印象なんですよ・・・。John Deereのイメージってもっと若いし、タフだし、スッキリしているんです。カレンダーとして飾ってオーケイ、という感じで。僕も、先日叔父さんから耕運機を借受けたので、今年は農作業元年にしようと思っています。
南日本新聞「南点」を振り返る(13・最終回)
昨年、南日本新聞に掲載された「南点」(全13回)を振り返ってみようと思います。約800字という制限の中で言いたい事が伝わったのかどうか。読み逃した方々へ向けて、全文と追記を本ブログで紹介していきます。
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風の歌を聴け!
1954年の映画「ゴジラ」は第五福竜丸の問題を受けて誕生した。東京を襲撃する姿は、311を予言しているかの様だ。また、1970年の大阪万博における岡本太郎の「太陽の塔」は原始美術からの影響を色濃く受けた存在で「人類の進歩と調和」というテーマに対して強烈なメッセージを投げかけている。鹿児島においても、8・6水害の後、行政側が解体を決定した五石橋の保存を訴えたのは芸術家を中心とするグループだった。発表の場がSF映画であろうと、博覧会であろうと、街の中であろうと構わない。いつでも芸術家達の活動は、生物の魂や人間の尊厳が原点に置かれている。経済性や安全性が優先される社会とは対極にある。
今年を表す漢字が「絆」だと聞いて私は愕然とした。とてつもなく安っぽい、他人事の様な意味しか感じ取れない。人類の英知を見直す場面で、むしろ賞賛している様に受け取れる。私はシニカルなのだろうか。多くの震災関連の番組が「史上最悪の事態」を「感動悲話」へと変換させてしまった事が原因なのだろうか。日本人の想像力の儚さが浮き彫りになっている。
「文字が誕生する以前、季節や時間は自然観察によって知ることが出来たが、現代ではスケジュール帳ばかりを見ている」 叔父の一周忌で聞いた興味深い法話の内容だ。ハッとさせられた。絆に頼って急いで復興するよりも、自然界からの声に耳を傾ける事の方が遥かに生物として賢いのではないだろうか。時間はかかるかも知れないけれども、耳を澄ましてみればいい。ただし、本気で。
桜島の勇姿を拝みたいがために「これでもか!」と巨大な建築物が背伸びをし合って林立している。鹿児島は季節のない街へ変貌したいのだろうか。四角い空を望んでいるのだろうか。こういう事を続けているうちは、人類はまだまだ駄目だ。「早くこのビルを降りましょう」と上司に必死に訴えかける若者が、どれだけ増えるか。2011年が時代の境界線となる様祈りたい。自分も変化したい。
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追記:
最終回ということで、書きたい様に書いた印象があります。タイトルの「風の歌を聴け」というのは村上春樹の小説でもあるし、オリジナル・ラヴの大ヒットアルバムでもありますね。両者とも、時期は違いますが自分に影響を与えた作品です。今回の記事に何故引用したのか?というと、とにかく「自然にもっと触れて欲しい」という願いからスッと出て来ただけなんです。先日、東京在住の文化人とお話をする機会があって「周りで『絆』商戦が始まっている!」と伺いました。危険なことだと思います。冷静になって状況を見つめると、一度決まったシステムを止められない社会というものが浮き彫りになってきます。絆を強めるというよりは、どちらかと言えば、自分でも気がつかずに癒着している悪い関係性に気づいて、断ち切ったりすることの方が重要なのではないでしょうか。「ビルを降りましょう」という台詞は、雑誌「ku:nel」51号で読んだ、スターネットの馬場浩史さんの記事の影響を受けてのものです。集合住宅、高層ビルについては以前から「もう要らない」と発言し続けてきました。「自分も変化したい」という部分については、イラストレーターとして社会に何が出来るのか?という見直しが一番だと考えています。追って報告します。
(写真は九州電力・川内原子力発電所・自宅から直線距離で35キロほど)
南日本新聞「南点」を振り返る(12)
昨年、南日本新聞に掲載された「南点」(全13回)を振り返ってみようと思います。約800字という制限の中で言いたい事が伝わったのかどうか。読み逃した方々へ向けて、全文と追記を本ブログで紹介していきます。
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田舎者から地球人へ
21時就寝・3時起床の生活スタイルがこの3年ほどで身についてきた。朝はまずブログの更新やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのチェックに充てる。知人・友人をはじめとしてオバマ大統領の動向までが、本人の発言として瞬時に目に飛び込んでくる。犬は、電柱の匂いを嗅ぐことで行動範囲にどれだけの仲間や敵が暮らしているのかを、健康状態まで含めて悟る事が出来るという。そういう意味で、人類は犬の様な嗅覚を身につけたとも言える。地球上の人々が頑張っている様子を窺い知ることは、励みになることが多い。SNSの利用は記憶に新しい「アラブの春」や大阪のダブル選挙の結果などにも直接反映された。メディアへの接し方は、世代間・地域間で大きく異なるため、テレビ漬けの人には本質的意味が解らないかも知れない。
鹿児島のブロードバンドの世帯普及率は全国最下位。このままで地球の大きな流れに乗れるのだろうか?この違和感については移住当初からずっと問題視しており、地域のご年輩を対象に「インターネット体験会」を開いたこともある。魅力を伝えるのは至難の業だが、過疎化を辿る集落でも最新鋭の生活が出来る可能性があること、定住者を募る鍵となることなどが主題だ。公の施設は全てフリースポット化するべきなのだが「セキュリティの問題」や「前例がない」という言い訳がまかり通っており、普及への道は険しく感じられる。
SNSのチェックを済ませた後、私は旧南薩線の跡などを5キロほど歩く。東シナ海からの風、永吉川で跳ねる魚、朝焼けをバックにした桜島の噴煙を観ながら地球人であることを体感する。スマートフォンを持ち歩いているため、私の辿ったコースはGPSを通して記録されており、世界中の人と共有することが可能だ。万歩計とは違う。毎朝、感動の雄叫びをあげたいくらいだ。
日本における電信の歴史は鹿児島から始まったが、 島津斉彬公が生きていたら、この現状をどう感じるだろうか。
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追記
1.「3時起床」というのは最近遅れて来ていまして、4〜5時がベストの状態です。「春眠暁を・・」の言葉通り、春になってくると体内に何らかの変化が起こってくるのでしょう。目覚まし時計は使いませんので自然にまかせています。村上春樹もスタルクも早寝しているらしいから、おすすめです。
2.「地球の大きな流れ」というのは「最低限の流れ」とした方がより解りやすかったかも知れません。
3.「公の施設はフリースポット化」・・・という件については、この文章を読んだ日置市企画課情報管理係の方から、「公共施設のフリースポット化についてですが、現在、日置市内の中央公民館及び地区公民館について、平成24年2月の運用開始に向け、工事を行っているところです。」というメールを頂きました。また「この目的は、無料のフリースポットをきっかけにしていただき、急速に進展する情報化社会の利便性を市民が享受できることです。」と付け加えられていました。これは嬉しい知らせですね。有り難うございます。本当に、待ち望んでいました。・・・ですので「普及への道は険しく感じられる」とした本文の部分は適正ではありませんでした。申し訳ございません。
4.「5キロほど歩く」というのは、本当に寒い日、雨の日、本当に忙しい時・・はお休みしています。現在のところ55回、計233.6キロを歩いたと・・・iPhoneには履歴とルート情報などが記録されています。ちなみにこのアプリ。
南日本新聞「南点」を振り返る(11)
昨年、南日本新聞に掲載された「南点」(全13回)を振り返ってみようと思います。約800字という制限の中で言いたい事が伝わったのかどうか。読み逃した方々へ向けて、全文と追記を本ブログで紹介していきます。
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感動のタイムラグ
映画は、とにかく新作を劇場で観るに限る。釣り上げた魚をそのまま船上で食べるのと同じで鮮度が違う。DVDレンタルやBSでの放映を待つのは、そういう例えで言うと缶詰を食べる様なもの。 劇場で興奮した映画の感想を、1年後に「ビデオで観た」と語られても、何かがズレてしまうのである。 今、この時期に作られたということに一番大きな意味がある。最新の映像テクノロジーや演出を楽しむ事は、感覚の新陳代謝に繋がる。新しい価値観が築かれる。これが文化全般の醍醐味だと思う。いわゆる名画と呼ばれるものでも普遍的にカッコイイ場面と、明らかに「今はやらない」古くさい場面が入り交じっていることが多い。それに気がつくか、つかないか。
私も、とあるSF超大作を見逃して3年が経ってしまった。完全にタイミングを逸したので、今観て得られることは想像以上に少ないだろう。ファッションでも半年経てばセールの季節が来る。しかし最先端を気にかける人の中では、既に語り尽くされたものばかりが店頭を飾っているのだ。
仕事柄「2011年でなければ作り出せないもの」にこだわっていきたい。今を生きているという実感が欲しい。ただ、現在はインターネット上で新旧を問わず様々な映画や音楽が等しく並んでいるために、油断をすれば足下は揺らぎ、基軸はあやふやになる。
この歳になると、映画について友人と語る機会はめっきりと減る。子育て中で趣味趣向が子供にシフトしていたり、仕事が忙しかったり・・・と言い訳は様々。そうこうしているうちに過去の映画や懐メロだけが残像として脳内を埋め尽くし「昔は良かった」などと言い出す・・・こういう事態は何とでも避けたい。それは単なる老化現象に他ならないから。
既に高齢社会を迎えている鹿児島で「現在の表現」にどれだけの人がアンテナを張っているのか。 この12年間で満員の劇場を体験したのは2-3度。映画館は増える様だが、映画人口も比例して増えなくては!
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Podcastingで、堀井憲一郎さんが毎日の様に落語に足を運ぶという話をされていました。身体性をもって楽しみたいから、という意味合いが強いとの事。僕はここのところずっと、そういう言い方を探していたので腑に落ちました。「身体性」で映画を語れる人って、どのくらいいるんだろうと。偉そうなことばかり書いていますが、自分も映画を見る量は減って来ているんです。ただ、劇場で観た映画に限って、何度も何度も楽しみたいという気持ちが芽生えることは確か。DVDやブルーレイを買う映画は、劇場で見逃したものではないんです。映画館での体験って、濃い思い出になるから。映画に限らず「嫌いな部分も含めて好きになれるか。」というのがひとつのキーワードではないでしょうか。スター・ウォーズは死ぬ程観ていますが、ツッコミどころは満載です。それはおかしいよね、という箇所まで愛してしまえるのかどうか。「金返せ!」と劇場に文句を言いたくなる様な映画もあるのかも知れませんが、本当にじっくりと作品と向き合ってからでいいと思います。鹿児島でも映画館が増える様ですが、もう今のシネコン形式では上手くいかないと思う。スクリーンを効率よく回すのだったら、寅さんだけのスクリーンとか、ホラー専門とか、SF映画のスクリーンが常にあるようなイメージが希望。スカパー!などの有料チャンネル形式で映画を選べた方が上手く行きそうだと思いますが如何でしょうか。ミッテ10(鹿児島中央駅)とシネマズ与次郎(フレスポ)の映画に、ほとんど差がないのは問題です(ガーデンズシネマは独自の姿勢で頑張っていますけど)。でもあとは、学生向けに2本立て、3本立てとかを安価で上映しないと。僕が最も映画に浸っていたのはやはり学生の頃。お小遣いの範囲で一日中、劇場に入り浸れたものです。ハリソン・フォード特集で「ブレード・ランナー」「ハノーバー・ストリート」「レイダース」の3本立てを観た記憶があります。ウディ・アレン特集のオールナイトとか。こういう楽しみ方を今の若者にも知って欲しい、一本観て帰るという入れ替え制だけでは本当に寂しい。
プチ湯之元巡り
気の置けない仲間達?と一緒に湯之元をぶらり散策。チームの一人が湯之元出身ということで、解説つきで商店街をあちこちと見て回ったのです。さすが湯之元、路上に温泉マークが(これは道路標識なんですよね?)あったりします。人が住んでいないと思われる優良物件が点在していて、勿体ないな〜勿体ないな〜と何度もため息をつきました。ジブリ作品に出てきそうな昔の洋館が多いかな。そんな中、タイミングよく松下パンの移動販売車がやってきて、散策チームで結構な量を買ってしまいました。いつも楽しみにしている方たちに行き渡ったのかどうか心配。駅までは歩いて10分ほどで、鹿児島中央駅までは25分だから・・・東京で言えば吉祥寺とか、そういう感覚の場所だと思う。しかも温泉郷だし、言う事ナシ!だけど、やはり後継者不足に悩まされている模様。若者には戻ってきて欲しいですね本当に。田舎には仕事があるんですよ、昔の賑わいを取り戻すという仕事が・・・。
今回は中心部に位置するファッション専門店?+サラダ館「みやうちデパート」に集合したのですが、店内の一部が食料品売り場に充てられていました。話を聞くと、近くに大きなスーパー(タイヨー)があるんですが、そこまで歩いていけないお年寄りのために必要な分を仕入れているとの事。都会ではテナントを入れ替えて時代に対応していくんだろうけど、こちらでは近所の方々の健康状態を見ながら、きめ細やかで迅速な対応をしているんですね。
under’s high 2012/Winter/vol.19
アンダーズハイの19号。久しぶりに批評家・井原慶一郎さんとの対談が掲載されています。収録の様子は、このブログでも1月9日にしました。今回は「鹿児島で働くということ」がテーマとなっています。coffee innovateの濱野賢三さんによる「好きな仕事を選択する」というテキストに涙ぐんでしまいました。
イトメン・チャンポンめんについていた「お楽しみ袋」
以前、このブログでも紹介した「イトメンのチャンポンめん」。その後もファンです!今回は5袋のパッケージについていた「お楽しみ袋」を紹介!購入後、家に戻って何かな〜と思って空けてみたら、コースターが二枚入っていました。これまでのメインキャラの姿はかなり控えめで、不思議な仲間たち?がメインに描かれています。コースターの文字も、一文字おきにフォントを変化させていますね。なんでなんで?こういう「おまけ」って「どうやって企画が通ったんだろう」とか「どんなイラストレーターが描いているんだろう」とか、気になって気になって仕方がありません。そういう物語を頭の中で組み立てては、自分もこういう仕事がしたいな〜と羨ましく思う次第。限定品だと思われますので、みなさんもお近くのストア(鹿児島弁)まで急いでくださいね。