田舎ならではの、ある意味レアな1面です!永久保存版!
Monthly: 2010年6月
今朝、うちに届いた新聞。
pharma09(2533477)
お久しぶりです。
しばらく、更新を怠っていました。ちょっと、いろいろとありまして。
本ブログにいつもコメントを頂いているS氏に勧められて「サイゾー」7月号の高城剛×小林弘人による「フリー」論を読んでみました。極端な意見に聞こえる部分も多いものの、「クリエイションで儲けるのはかっこ悪い」というフレーズを世の中の流れとして受け止めました。(受け止めただけですよ。)このままでは、旧態依然としたプロフェッショナルは淘汰されてしまうんだろうと。学生には「プロになれ」と指導しているものの、恐らく生理的に、彼らは僕の言っている事が理解出来ていないんだろうと思う。僕がプロを目指していた頃の世の中、そして空気自体があまりにも違うから。そんな中で営業スタイル・・・例えば業界に歩み寄る方法などを語っても仕方がない。既得権益や体制が解体されつつあるから。結局は「純粋な絵の技術」寄りの話に終始する事で、自らを戒めていくしかなく、学生にも正確に伝えていくしかない。そのイラストの授業を持っている専門学校の卒業式では、まったく逆の意見を述べる先生もおられた「これからは絵が描けてもしょうがない。そんなのパソコンがやってくれる。それよりもきちんと喋れないと駄目だ」と。絵を描いている学生に向けてこの発言。驚いた。ここのところ、僕の周りでは「仕組み」の話が多い。このブログでも展覧会における絵は、絵自体の意味よりも、その場での人との出会いに意味が移っている、と述べたこともある。自分の展覧会で、会場に常時滞在しないのは圧倒的な損失を意味する。「フリー」論では、CDや本を売ること自体もカッコ悪いと表現されている。結局のところ、ネット社会が飽和してきて、逆に人間の時代になってきたといえるのでは。20年ほど前に、何かの本で横尾忠則氏が「精神世界が実現したら芸術はいらなくなる」と言っていた。そういう状態に近いか。だが「写真家や僕の様なイラストレーターは必要とされなくなる」と言われると、正直なところ、困る。いや、それだけを軸に幼少の頃から生きてきたから。ただ、「フリー」論で述べられている様な危機感は、随分前から持っていた。旧態依然としないために、「鹿児島での生活」を選択したのだった。生活スタイルを含めて表現していかなくては駄目だ、と何度も語ってきたし。自分の場合はイラストの技術を磨いて、何かを組み合わせた価値を提供しなくてはいけない。いつも模索中だ。ただやはり、その基盤となる部分が「なんちゃって」では、それこそカッコ悪いのではないだろうかと思っている。絵の基礎だけは変わらないで欲しい。仕組みの時代だからこそ、確実なものを作りたい。「フリー」論・・・興味深い対談で、良く読んでみると前向きなヒントだらけでした。「サイゾー」を買ったのは何年ぶりだろうか。
スイングジャーナル休刊・・・
63年もの歴史を誇る雑誌の休刊。鹿児島は2日遅れの22日発売、(ひとまずの)最終号を買いに朝一番に伊集院の本屋へ走った。いつも、2-3冊しか入荷していないから・・・。僕がジャズを聴き始めた動機は極めて不真面目なものだったが「少しは勉強しておかないと」という事で、殆ど訳もわからずこの「スイングジャーナル」を10年ほど買い続けていた時期がある。最近は、年に一度、データブックの付録がつく時のみ買っていたが、まさかこんな事態になるとは・・・。音楽への接し方は人それぞれだが、ジャズは最近流行の「君は一人じゃない」的な応援ソングとは対極にあるものだと思う。自分が落ち込んでいた季節にも、絶対に寄り添ってはこなかった。逆に、そういうしみったれた輩を突き放す音楽。
今回、手にして感動したのは「休刊のお知らせ」が小さく書かれていたこと。最終特別企画なんてものはなく、相変わらずの記事と広告。淡々と、今まで通りのスイングジャーナルであった。表紙も、自分だったらマイルスを選ぶが、敢えてコルトレーンだったり。これは、最終回っぽくしたくないという編集者たちのトンガリなのかも知れない。ここにもジャズを感じてしまいました。脱帽。
ずっと変わらないと思っていた老舗が、急に閉店してしまった様な気分です。今後、電子書籍でもいいから復刊して欲しい。今回の不景気って何なんだろう。自分が買わなくなってしまったので偉そうな事は言えないんですが・・・。
自分への誕生日プレゼント
ここのところ、スピーカーから大音量で音楽を聴く機会が減り、Podcastをヘッドフォンで楽しみながら仕事という状況が多くなっています。そんな折、これまで愛用してきたヘッドフォン(特にこだわりもなく買ったもの)のアームがバキッと折れ、修復不能になったので買い換えを決意。それ以降、SONYのMDR-900STを狙っていたんですが、先日、鹿児島県内の某量販店で試聴する機会に恵まれたんです。第2希望だったSENNHEISERのHD 280 PROFESSIONALも同じく試聴出来た。SONYも捨てがたかったんですが(for DIGITALとわざわざ表記されているオヤジ臭さもイイ)、価格・デザインとフィット感で後者に決定した次第。側圧はSONYに比べてかなりありますが、その分ノイズキャンセリングという技術ではなく、物理的な遮音性が高い。パッドの部分が大きく耳をすっぽりと覆うために痛くはないです。ヘンな脚色の多い音が世の中で溢れていて、しかもヘッドフォン側でそれを更に膨らます傾向も出てきています(こういう文化は終わって欲しい)。そういう意味では的確な音を出してくれるモデルだと思います。商品到着後、早速リファレンス盤であるDonald FagenのMorph The Cat(通称・毛布猫)を聴きましたが、満足度の高い感覚で鳴ってくれました。普段はMacBookProに繋いで使うことになるのですが、勿体ないのでヘッドフォンアンプが欲しくなってきた・・・。ヤバイな〜この展開。
アミューズメントマシンショー(2007)のメインビジュアル
アミューズメントマシンショー(2007)のメインビジュアル
1966+44=2010
昨日、誕生日でした。今年は何故か多数の方から(数千通?)のお祝い電子メッセージを頂きました。どうも有り難うございました!
これまで「これは出来る」「これは絶対出来ない」と自分の中で線引きをしてきたのですが、その結果が問われる年代に入ってきたような気がします。お前、結局のところ何者なんだよ?と言われている様な。88歳までは44年あるけど、オヤジの他界した年齢までは13年しかない。日々、与えられた仕事をこなしていくのが精一杯なのですが、もう少し大きな目で見た「何か」を並行してして走らせなければいけないのかも知れません。そういう時間はどうすれば確保出来るのか。インターネット関連に割く時間を削るのが近道かも。そんな訳で仕事のMacと、ネットのMacを分けたい・・・出来れば部屋も分けるのが理想。(iPad、iPhone、MacMiniと魅力的な新製品が続々登場していますが、MacPro出ませんね〜。これだけ待たされているんだから、ディスプレイも含めてそれなりのデザインになるんでしょうね〜。)
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
いろんな事がある
昨日、270号線を東市来方面から自宅に向かって走行中の出来事。何やら良く解らない物体が道路を横切っている。反対車線の車は、その物体が横断するのを待っていて、ちょっとした渋滞。僕の車もスピードを落として近づいてみた。何と正体は「スッポン」であった。全長は30センチくらいあったから結構な存在感である。ウサギ、キツネ、テン、タヌキ、アナグマ、シカ、サル、カエル、カニ・・・などは自分の車の前を横切った事はあるんですが(鹿児島ってスゴイ)、スッポンというのは初めてだ。野生なのか、養殖されているものが逃げ出したのか全く解らず。後続車もいたのでその場を去ってしまったのですが、もっときちんと観察しておけば良かった。映画のワンシーンの様なシュールな光景でした。
写真はオーテマハウスに現れたゴマダラカミキリです、今、シーズンですね。
google,windows,yahoo!
「日経パソコン」のためのイラスト(2009.02)
編集者とのやりとり
とある本に掲載されるイラストを巡って、久しぶりにぶつかり合った。相手は、大人のイメージのイラストが欲しいという事だったんですが、こちらが想像している「大人」との認識にズレがある。普段は相手の欲しいモチーフや状況を描く事を仕事としており、その部分に快感があるのですが、今回はオリジナル作品に近い状態なので、主張したい箇所がどうしてもあったんです。ファッションイラスト的な意味での「オシャレ」を求められているのかも知れない。しかし自分なりのオシャレ感を何とか表現したい。具体的に言うと「飲食店のイラストに虫を入れたい」。勿論、普段の仕事ではNGである。編集者の方には、敢えて気持ち悪い描写をファミリー向けの映画にねじ込む事で、世界観が広がり受け手の幅も増えるという宮崎駿の例を説明する場面もあった。また僕は、B級SFと呼ばれるジャンルの中に漂う独特の空気にロマンを感じる事が多い。一枚絵なので、いくつかの会話を絵に盛り込みたい。人間と人間、虫と虫。構図についても、当初にアイデア出しをした落ち着いたものを止めて、若干不安定だがスピードを感じるものに変更した。編集者の方も話をきちんと聞いてくださり、何とか僕の意見は取り入れられた。良い本を作りたいという気持ちはお互いに一緒だ。こういう対話は時として仕事にならなくなってしまう場合もあるだろう。だけど今回は発展的な話が出来た。そして、こうした話をした後では、勿論下手な絵は提供出来ない訳で、気合いが入るのだった。
出版された際にはまたこのブログで紹介しますね。(写真は梅雨入り前の桜島。ホワイトギャラリーからの眺め。サイコーです)