
こういう事は忘れないうちに書いておかないと・・・。先日お伝えしたKDPの作品と審査についてです。まず会場の様子ですが、古い石蔵を改装したギャラリーの居心地は良かったですね。このプロジェクトの様子がtwitter上でアップ〜プロジェクタで投影されたり、ustreamによる生中継も。ただ、来場者が少なかったのは残念。これは純粋に宣伝不足だと思われます。業界の人に限らず、このようなイベントが好きな人たちって、鹿児島には沢山いる筈なんですけどね。
展示パネルは、正直なところ見づらかったと思います。会場の規模とパネルの内容の細かさは合っていなかったのでは。平面でも十分気合いを伝える事が出来ると思うんですが、経験上、器用に・パソコンで・小奇麗に作られたものって、見られる機会が少ない筈です。そんな訳で殆どは模型と作者の語りで判断してしまいました。作品は、想像していたよりも大人しいものが多く、弾けるようなパワーに触れられなかったですね。建築なので、みんな理知的なのかな。自分が学生の頃を振り返ると、もっとアタフタと動いていた。桜島の火山灰の問題に前向きに取り組む住宅や商店街のアイデア。とてもリアルに見えるけど、逆に建てる人がいないのでは?という意味で現実感がなかったり。集合住宅については、デザインが好きで票を入れた作品もあったのですが、最終的に「鹿児島市内に集合住宅はもう要らない」というのが本音。高層マンションが出来るたびに周辺地域から人がいなくなってしまう事を実感しているし、東京では集合住宅で嫌な思いをした経験が何度もあるから。そんな中で、空き地を活かすアイデアをまとめた東佑二郎さんの作品「ありえたかも知れない都市」が大賞に選ばれました。「何か大きなものを作ろう」という意識は時代に合っていない、とみんなが実感している中で、今回彼が提案した空き地や空間の活かし方は、時代の要請にきちんと応えていると感じた次第。建物自体ではない「仕組み」が評価されたというのは自分にとっても新たな発見でした。また、この作品とはまったく異なる、高速道路の橋桁が集合住宅になっている西園誠さんの「交錯する風景」を審査員賞に選びました。アイデアに一番元気があった。リビングの真横を車がバンバン通過する・・・ゾッとするんですが、SFとして体験してみたいという気持ちから評価しました。
審査方法やそのデザイン、展覧会全体のセンス、また、学生が立ち上げたという意味も含めて、グラフィックデザイン界よりも進んでいると思いました。
貴重な機会を有り難うございました。






















