武蔵野美術大学校友会・鹿児島支部の有志が集まり、毎年行われている自由な展覧会「む展」。今年の会期は7月12日(火)〜17日(日)の6日間。場所は鹿児島市立美術館です。5月28日に第一回の実行委員会が開かれました(写真)。今年のイメージ作りを担当されているのは、デザイナーの花田理絵子さん。「聞こえる造形×見える音」というテーマでポスターやDMなど広報ツールをただいま作成中。会期中に花田さんがリコーダー奏者として活動している「柳田合奏団」の演奏も計画されています。
権威主義を否定し、毎年、新しい試みをちょっぴり取り入れたり、新人が入ってきたり・・・と新陳代謝を繰り返しているのがむ展の特徴でもあります。僕も、今年は初めてラフスケッチを大量に展示しようと考えています。今から予定表にチェックを入れておいてくださいね。
Monthly: 2016年5月
第33回「む展」の準備
鹿児島国際大学での講義
昨年に引き続いて鹿児島国際大学で1日だけ講義をしてきました。テーマは「地域 × デザイン」。60分ほどの話の中で使用したスライドは360枚。話し下手だから画像がないと喋れないっていうのが主な理由なんですけどね。今回は講義しながら、自分の地域活動の歴史を客観視している自分がいました。授業で学生に何が伝わったのか想像することは出来ませんが、スライドに登場する地域の方や友人を見て、今回は自分のやっていることが自分に伝わりました。
スピードの速い、遅いは人によって地域によって変わってくるんでしょうけれど・・・。残念なケースは、地域活動や地域デザインの話が「ウワサのみ」にとどまってしまうこと。実はこれが大半だと思われます。傍観者がやってきて「お前のやっていることはわからん」と言われることもよくあります。いや、そうではなくて、あなたが当事者にならないとわからないんです。と言いたいところですが、これはまだまだウワサのみが広がっている証拠です。実績が積み重なると感情の浮き沈みのようなものが減ってくる。無駄な対立も減ってくる。
やはり、一人では出来ない地域活動。住民の方々やゲストの協力が必要です。今回映し出されたスライドには、地域住民の方々、僕の友人、知人、たくさんの人が登場し・・・その人達の知恵を借りながら話をしたわけです。話をすることによって、確実に何かが動き出します。学生達にも永吉に遊びに来て欲しいです。
竹之内直記さんの「灯り展」
最高のロケーション!伊佐市にある東風(KOCHI)画廊で行われていた個展「灯り展」に出かけてきました(既に会期終了)。竹之内直記さんのお住まいでもあります。ご自身で建てられたと思われ、取っ手やブラインドなど細部にまでぬかりなく手作りされています。訪れたのは今回で3度目ですが、なかなか確信に触れるお話を聞き出せないまま今日に至ります。しかしながら、この場所に辿り着いた理由は推して知るべしなのでしょう。竹之内さんの姿勢を見ていると伝わってくるものがあります。自分に厳しい方です。
話は変わり、先日、専門学校で「住みたい家」という課題を出したんです。その時にびっくりしたのは、男の子3名が山小屋風の家を描いてきたことなんです。描写力がないから普通の山小屋よりも随分と寂しい仕上がりでしたが「贅沢はしない」という思想だけは伝わってきました。時代が変わって、竹之内さんのような暮らしに憧れる人が増えているのかも知れません。憧れたのであれば、実行に移してこういう場所で暮らして欲しいですね。写真下は、竹之内さんのお住まいからほど近い場所にある「伊佐市立南栄小学校」現在の児童は12名だそうです。星空日本一に選ばれたことから、天体ドームがついています。12名で使うには勿体無い校舎ですね〜。伊佐市、オススメです。
残念だった星空観察会
日置市中央公民館主催の星空観測講座に参加してきました。場所は「馬渡ドーム」と呼ばれる、この辺りでは有名な、珍しい施設。手作りの天体ドームなのですが初めて中に入ることが出来ました・・・。すごい。入り口付近に置かれたチェーンソーアート(彫刻)の気合の入り方も含め、ただならぬ情熱が伝わって来る場所です。この日は火星大接近を間近に控えていたために企画されたそうなのですが、あいにくの雨で、望遠鏡を使って星空を見ることは出来ませんでした。しかし星空観察会のためにアレンジされた生演奏の内容が随分と泣ける内容だったり(ツァラトゥストラはかく語りき〜宇宙戦艦ヤマト〜銀河鉄道999などのメドレー)、スクリーンに映し出された星座を解説するアプリもなかなかのものでした。子供達はおやつの食べ放題で更にテンションが上がっていました。星空観測講座は、今年も場所を変えてあと4回ほど開催されるようです。
混沌としている
鹿児島市中心部に位置するスーパーマーケットの駐車場。隙間のようなコーナーが突如現れたんです。視線を定めていない、雲に乗った動物たちのイラスト。モグラだけはかろうじて一点を見つめているのですが・・・。バルーン、ピエロ、フラッグ。色遣いも、ちょっと見たことのない組み合わせで、何だか混沌とした空気を醸し出しています。
さらには、背を向けあったベンチ、写真には写っていないけど隣にレンタカーの事務所が・・・。混沌さが更に加速されますね・・・。
ひどい看板が街の景観を乱しているという話を何度かしたことがあるんですが、整然とした街の中には、このような隙間が必要なのです。今回は慌ててシャッターを切ったのですが、次回はこの場所で一休みすることにします。
初Jetstarなど
初めてJetstarに乗りました。いわゆるLCCですね。往復の航空券2名分と、2名のホテル代を合わせて、5万円代で収まりました。助かります。今回はもうすぐ80歳になる母の付き添い(同窓会のようなものに出席)で自由時間はほとんどナシ、友人にも一切知らせずひっそりと東京入りして二泊して戻ってきました。しばらく前から、一人で遠出をしなくなってしまった母。元気がある頃とは違い、今回のように僕がサポート役での二人旅は、初めてだったと思います。待ち合わせ場所への送迎などなど、時間には余裕を持って行動しました。そんな中で空き時間が出来たので上野の公園内をブラブラ歩いたり、黒田清輝展を見たり・・・。純粋な観光客として上野を歩いたのも初体験だったかなあ。圧倒的な文化度の高さに刺激を受けましたね。美術館や博物館があるだけではなく、ちょっとした木の剪定(気合が入っている!)などを見てジェラシーを感じたりもしました。黒田清輝にしても、西郷さんにしても、鹿児島の人物。こうした現在の東京〜鹿児島をどのような目で見ているのか・・・聞いてみたくなったのでした。
1976年の俺(6)
1976年1月12日〜15日。
母方の祖母の葬儀を終え、今自分が暮している父方の田舎へ行ったことが記述されています。伊集院から永吉までは、おそらくタクシーを使ったのだと思います。今だと、3000円くらいかかるけど・・・この当時は幾らで行けたのだろうか。永吉に着くなり、吹上浜まで歩いて往復したんだなあ・・・小学3年生にとっては相当頑張ったと思います。(今より、体力があるかも知れませんけどね・・・。)葬儀のことは気にせず、祖父からもらったお年玉でプラモデルを買ったんだ・・・これはいかにも小学生らしい行動だ〜(多分、スーパーカーのプラモデルだと思う)。欄外に寝台特急のチケットが貼り付けてありますね。本当は西鹿児島-東京を結ぶ「はやぶさ」が一番好きだったんだけれど、この時は明星のチケットしか取れなかったんですね。岡山での途中下車。そこから新幹線に乗って東京、中央線で国立・・・という経路で自宅まで戻ったのでした。盆暮れ正月冠婚葬祭でしか田舎に帰らないという風習には、今でも疑問を感じます。
町内会に加入し地域作りに参加しませんか
鹿児島市内から自宅へ帰る途中、車内から偶然見かけた看板。「町内会に加入し地域作りに参加しませんか」と書かれてあります。最近、朝のテレビでも取り上げられていました。町内会に入る人と入らない人、その考え方の違い。東京で一人暮らしをしていた頃を思い出すと、地域活動に参加するとかしないとか、そういう選択肢すらなかったんです。今は町内会の大切さを身にしみて感じていますが・・・大都会であれ小さな田舎であれ、無意識的に「ローカルで生きられない人が増えている」ことが、結果として日本全体を疲弊させてしまうと思っています。近所付き合いが大変なのではなく、近所付き合いが出来ない社会の方がよほど大変でしょう・・・。
日置市を案内
ゴールデンウィークの出来事だから、もう一週間以上経ってしまいました。東京からとある仕事仲間が来て、鹿児島を案内することになったんです。こういうケースはこれまでも何度かあって、歴史好きの人には歴史コースを、グルメな人にはグルメルートを案内する流れになります。とにかく、皆さん、時間がない。急いで回らないと鹿児島の魅力を伝えられません。今回は日置市に絞り、千本楠〜吹上浜〜オーテマハウス〜TAMAYA〜とある音楽家のスタジオ〜江口蓬莱館〜沈壽官窯〜tawarayaというコース、もっと感じてほしかったのですが、飛行機の時間も迫っておりタイムアップ〜。
「仕事仲間」と最初に記してしまった方・・・今回日置市巡りを一緒にしたことで、友達になってくれたような気がします。その方は熱心に案内先で情報を集め、小さな話でも耳を傾けていました。どうやら地域のコミュニティのあり方について関心を持っている様子でした。移動距離はとてつもなく長いのに、クリエイター同士のつながりが深かったからかも知れません(時間を割いてくださった皆さんありがとうございました。)。そしてみんなが日置市らしさについて、確信や誇りを持ち始めていることも伝わったような・・・。
Kagoshima illustrators file 2016 SPECIAL EXHIBITION @ U1 SPACE
薩摩川内市隈之城にあるギャラリーU1 SPACEにて「Kagoshima illustrators file 2016 SPECIAL EXHIBITION」が開催されています。31日まで。2010年より毎年一冊発行されている「Kagoshima illustrators file」(写真上)。展覧会は、この冊子を大型出力したものなのですが、鹿児島のイラストレーションシーンが見渡せる内容となっています。毎年この冊子を編集している竹添星児氏は、ちょうど昨年の今頃「ODK(おしかけデザインかごしま)」のホスト役として「さつま町の温泉」をテーマに活動していました。
これまでクローズアップされることが少なかった鹿児島のイラストやデザイン事情・・・最近注目されているという見方もありますが、関心は依然として薄く、やはり「まだまだこれから」と感じることが多いです。竹添氏らの活動によって、感じる側の意識がどんどん高まることに期待しています。