何かの雑誌のトビライラストです。何だったかな〜
Monthly: 2010年4月
aircar
カオスラウンジ・・・
twitter上で話題になっていた「カオスラウンジ」に関するUSTを観てみた(講義)(討論会1)(討論会2)。インターネットや評論家との絡みが真新しく、美術運動はこうして形作られていくんだ、という事を体感出来た。内容について納得はしていませんが。今回の展覧会、直接見た訳ではないのですが、アーティストでもなくイラストレーターでもなく、といった立ち位置を好む(あるいは無自覚にそうなっている)若手作家に対して、帰属する世界を提示したのかも知れない。僕の世代から見れば、ひとつの救済計画と感じる人は多いかも。アートの文脈に乗ることが前提の様ですが、きちんとしたビジネスとして成長していって欲しいですね。そうでなければ、高校の文化祭・漫研的なお祭りで終わってしまう。まあ、彼らはそれでもいいのかな?
そんな中、鹿児島の若手作家から相談を受けた。カオスラウンジ的な流れは時差なく鹿児島にもある訳で、焦っている様子。こういう時代だから、階段の登り方が見えないんだと思います。階段はないのかも知れない。アートとデザイン。どちらにも帰属したくない若者には、カオスラウンジの概念は実に都合が良さそう。いや、実際に当てはまる人は沢山いますね。あの空気感、お祭り感に浸っていたい作家は、素直に流れに乗ればいい。しかし、鹿児島には鹿児島のやり口があると思う。混沌とする前段階でしょう、まだ。あんな理論武装をする前に、技術を磨く必要がある。体験とか、肉体が先。僕はきちんと線引きをして、僕なりに、鹿児島でしか出来ない事を探り続けるしかなさそうです。
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カフェへの旅
夢の中で薄暗い商店街に迷い込んでしまった。昔、誰かに紹介されて、一度も行った事のない喫茶店を目指していた。商店街全体は物凄いスケール感で、鹿児島で言えば名山堀、東京で言うと吉祥寺のハーモニカ横町の敷地面積を100倍にしたかの様な場所。車は入れない。ところどころで取り壊し作業が始まっており、壊された部分に光が差し込んでいる。夕方だ。今回訪れる喫茶店も、この流れの中で無くなってしまうことが生理的に解る。路地という路地で頭をきょろきょろとさせて目的の場所を探す。どのくらいの時間迷ったのか夢なので解らないが、突然その喫茶店が目の前に現れた。「lotus」と斜体で描かれた看板が発光している・・・。
周りの取り壊し作業を無視するかの様に喫茶店は大勢の客で賑わっていたが、小さな椅子に腰掛けることが出来た。天井を見上げると、蛍光色のプラスチック製のバケツや柄杓などが数え切れない程ぶら下がっている。ここで「誰か」に向かって自分が話しかける。薄暗い空間に差し色として効いているね、これがアジアだ、とか何とか偉そうに。何を注文したのか残念ながら覚えてないが、店を出た後、荷物を忘れた事に気がついて後戻りするところで夢は終わった。
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旅の想い出と映画の記憶などが入り交じっていた様な気がします。映画自体を良く覚えていませんが「裸のランチ」的な雰囲気だったかも知れません。
「cafe lotus」というお店、10年前にインドネシアで訪れた事があります。王宮(多分)を改装した巨大なカフェでした。その後、表参道の「lotus」というカフェに入った事も。関係はあるのでしょうか。lotus=蓮の花は、泥の中に根を張っても水上では美しい花を咲かせる事から、泥=下界、水上=極楽浄土という事で仏教のシンボルとなっているらしいですね。蓮の花をモチーフとしたお墓は近所に沢山あって、鹿児島が東南アジアの一部であることが実感出来るんです。写真は上海で撮影したものですが、夢に出てきたバケツ類は、まさにこういう種類のものでした。
ポツリデペケリ@poturi
イラストレーター迫安由美さんの個展「ポツリデペケリ」が南さつま市のカフェ+ギャラリー「poturi」で開催中です。オーテマハウスから南下すること約25分。ウワサには聞いていましたが、初めて行ってきました。古い病院がセンス良く生まれ変わっている空間。丁度おやつタイムだったのでケーキセットを頂いたりして、南薩にいるとは思えない不思議な時間を過ごしました。
迫さんの作品は3mm幅の紙をくるくると巻く技法・ペーパクイリングで構成されているのですが、実物を見ないとなかなか魅力が伝わらないと思います。今回はキャラクターの誕生秘話もパネルで紹介されていました。本日18日と25日の14時から17時まではワークショップも開かれる模様、オリジナル雑貨が作れるそうです(時間内であればいつでも参加出来ます)。水曜定休。是非、お出かけください。
pharma tribune [252533]
抗菌ブーム
鹿児島市内を中心に配布されているフリーペーパー「Under’s High」。次号Vol.13(5月1日刊行予定)にも、鹿児島大学法文学部准教授の井原慶一郎さんと僕との対談が掲載される予定です。今回は「デザイン」がテーマで、先日、タイムトンネルにて収録が行われました。デザイン。最近鹿児島ではあらゆる場面で耳にする様になりましたが「見た目」という意味で語られる事が多いので、限られた文字数の中で本質に近づく試みをしました。
例えば、収納が多く部屋がスッキリする住宅というのは、デザインされていると言えるのでしょうか。収納に何でもかんでも詰め込めば幸せなのか。オーテマハウスは収納は少ないんですが、それは「モノを減らせ」という建築家からのメッセージとも取れます。上海の高層分譲マンションは、内装前に引き渡される事が通例だと聞いてビックリした事があります(そっちの方がイイ)。日本は至れり尽くせりのフル装備。コンクリートむき出しで引き渡されれば、苦情が出るんでしょうね。しかし過保護なものが増えすぎた結果、想像力や生きている実感を奪っているのでは?「抗菌していれば良し」的な考えが居心地を悪くしていると思うんです。対談本編をお楽しみに。
pharma tribune [1:12]
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web creators
雑誌「 web creators」のトビラ絵
イメージ検索
仕事でリアルな虫の絵を数点描かなくてはならず、イメージ検索、イメージ検索。「一次情報こそ最も重要」ってな事を偉そうに言っているものの、やはり資料が必要となれば時間との問題があってネット上の情報に頼ってしまいます。インターネット登場以前は、近くの図書館で半日を過ごして貸し出し禁止の図鑑からスケッチして帰ったり、或いは書籍自体を購入しながら仕事をするのが常でした。今回の様なテクニカルイラストの仕事については、昔は著名な写真家や科学者、編集者などから情報を得るしかなかったんですが、最近はクオリティが高い画像であれば、発信元にはこだわらなくなってきています。勿論、元の画像と違ったイメージを創出するため複数の写真を参考に、角度を変えてイラスト化していく訳なんですが。映画「サマー・ウォーズ」ではネット社会の新しい民主主義が象徴的に描かれますが、自分が描くイラストの背後にも、援護射撃をしてくれている見知らぬ仲間がいる訳です。このような社会に参加している場合、恩返しというのはどうすれば良いのでしょうか。結局は「得た情報以上の情報」を自分の脚で稼いで、またネット上にアップするしかないのだと思っています。無理かも知れません。が、目的が達成されるかどうかでなく、そういう心持ちでネットを使うかどうかが大切。「好きな映画は映画館に足を運ぶだけでなく、関連書籍やサントラ、ビデオも買う」という行動は制作者側に金銭的な恩恵を直接もたらします。自分は可能な限り続けています。ネット社会でも、新たなビジネスモデルが模索されているんでしょうけど、リアル社会が急速に変化した影響で、逆に良心的な制作者がきちんと暮らせなくなっている感じもするんですね。とにかく、役に立ったら、気に入ったら自動的に1円が支払われるとか・・・そういう風になってくると信じたいです。
写真は鹿児島水族館で展示中のクリオネくんです。