Monthly: 2014年12月

date 2014.12.5
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横尾忠則の地底旅行

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12/7まで霧島アートの森で開催されている「横尾忠則の地底旅行」を観てきました。横尾忠則の影響は少なからず受けてきましたが、今回もまた「地底旅行」というヤラレチャッタ感のあるタイトル。画家宣言をしてからというもの、いろんなシリーズを発表してこられましたが、根底にあるテーマはずっと同じですね。夢や死後の世界、四次元とのつながりをずっと模索している方です。今回は全てが新作という訳ではなく、俯瞰で彼の活動を見ることができます。昔ラフォーレ原宿で観た作品と再会出来たり。鹿児島繋がりで言うと、70年代に描かれた霧島連山とUFOのイラストが良かったですね。今回再確認したのは、時代に流されない、いつまでたっても新鮮さを感じる色遣い。そしてかなりキワドイ色を置いても、バルールが合っているので絵から浮いていない。というあたりでしょうか。地底旅行というタイトルに引っ張られているとは思うんですが、暗闇をバックに発光しているイメージが強烈に焼き付いています。

date 2014.12.5
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景気回復、この道しかないって?

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今度の選挙に合わせて「景気回復、この道しかない」っていう自民党の広告が表示されるようになりました。かなりの違和感を覚えます。確かに、厳しい時代が続いていると思いますが、景気とか経済成長という言葉自体がもう信じられなくなっていますね。僕が知りたいのは、これから少子高齢で日本の人口が減ると解っているのに、なぜ同じようなマネー経済成長戦略を掲げるのかということです。逆に言えば「貧乏子沢山」というような価値観に立ち戻らなくては、将来の日本はないのではないでしょうか。成長の意味を変えていかないと。そういう未来に近いのは、エネルギーと食料を遠くから調達しないと成り立たない都市の生活ではなく、両者を自給できる可能性のある田舎暮らしだと思っています。
田舎暮らしを続けている人も、もちろん自分の暮らしを見つめなおさなくてはいけません。かなり油断してきたと思います。街に人が吸い上げられているのに、何もしてこなかった。補助金に飼いならされ、自分の想像力や行動力で街を住みやすくしたいという最低限の知恵が、いつの間にか欠落してしまったように感じます。この状態では、景気が回復してもお金の使い道は・・・また道路ではないのかと思うんです。

date 2014.12.4
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横山裕一「シュルレアリズム」宮崎県立美術館

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第39回宮崎市美術展の帰り・・・宮崎県立美術館で開かれている『横山裕一「シュルレアリズム」』に立ち寄ってきました。これは、最近観た展覧会では一番の衝撃でした。作品自体のカッコよさは言うまでもないのですが「ひとつのアイデア」が悔しいほどに突き刺さります。悔しい、というのは「とても真似出来ない」という種類のものではなく・・・「実はこれは自分でも出来たのではないか?」という悔しさなのです。漫画表現をベースにしているけれども、映像ですね。そして、同世代であるためか、切れ味シャープな造形センスの全てが、いろんなものを思い出させてくれるのです。帰り際にミュージアムショップで単行本を2冊と画集?を1冊衝動買いしてしまいました。12/7までやっています。観に行っていない人は、急いで!

date 2014.12.4
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宮崎市美術展

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すでに会期は終了していますが、第39回「宮崎市美術展」の審査〜講評をしてきました。今後、市民の美術展とはどうあるべきなのか、展覧会初日、宮崎アートセンターの方々、実行委員の方々、そして審査員で話し合いの場が設けられました。
これは鹿児島でも問題だと(個人的に)思っているのですが、こうした性格の美術展では、やはり美術教育という場から抜け出るような、ポップカルチャーに総称される作品群を拾い上げることがなかなか難しい。アカデミックな軸はもちろん必要なんですけれども、そればかりだと学校の先生や絵画教室の先生を目指すという方向がメインになってしまいます。実際、デザインの現場では様々な職種があります。「絵が好きで美術を始めた人が、きちんと働く場所があるよ」と、ストリート側(という呼び方は的確ではないかも知れませんが)からの提示が必要なのだと思っています。アカデミック側と、ストリート側の接点が膨らんでいくことで文化度は向上していくのではないでしょうか。
写真は宮崎駅から栄養軒(有名なラーメン屋)までの道のり。建物の遊び心は鹿児島より高いのでは?