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date 2009.2.5
category garden
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ギル・スコット・ヘロン再考


ちょっと前からオバマ大統領のスピーチが話題になっている。関連書籍もバカ売れで、英語の教材としても使われているとか・・・。リズム感もメロディも抜群の独特の語り口・・どこかで聴いたことがあるなあ〜と、自分の音楽鑑賞史の中から引っ張り出してきたのはギル・スコット・ヘロン。15年程前、ジャズ・ファンクとアシッド・ジャズ、新旧の音楽シーンが密接に絡み合っていた時代にちょっとしたブームがあって、当時来日も果たしています。そんな中でも彼の存在感は圧倒的であり、また孤高の人というイメージが強かったんですね。R&B、ソウル、ファンク、どの言葉も当てはまるし、Jazzヴォーカルとも言えます。写真は、その頃手に入れたアルバムの数々。時が流れ、リマスターされ数枚は買い直す羽目に・・・これは良くあることなんですが。今回、オバマブームを受けて?彼のポエトリー・リーディングが中心になっている初期の作品などを聴き返してみたのですが、オバマ氏とはちょっと違いましたね(似ている部分もあります)。GSHの方は地を這うような低い声。炭坑が閉鎖された事や、原子力問題などにも紛糾していて、とにかく、いつも何かに怒っているイメージ。ジャケットも、全部怖い・・・。キーボードを弾く星一徹という感じかな・・・。僕は雰囲気のみ楽しむだけなんですけど、英語がきちんと聴き取れる方は、是非初期の「Small Talk At 125th and Lenox」にチャレンジしてみてはどうでしょうか?その後、ブライアン・ジャクソンと絡んでいるMidnight Band時代、再びソロ名義に戻った時代は、ポエトリー色は薄いものの、名曲、多いです。全アルバムいいんですが、特にオススメなのは1972年・ヒューバート・ロウズやバーナード・パーディらをゲストに迎えた「Free Will」や、電子音がグッとくる1978年の「Secrets」でしょうか。後者は昨年、紙ジャケ(紙鮭)で再発されています。1994年の「Spirits」以降は動きがない様です。「The Revolution Will Not Be Televised」と叫んでいた頃とは様子が違うから、やりづらいんでしょうか・・・。しかしこんな不況時こそ、彼の出番でもあると言えます。

Comments: 4 comments

  1. Winter in Americaが一番聞くアルバムかな〜
    怒り度が一番低いような…
    冬の日の日向のような印象です。春間近の陽気のような…好きな曲も〜というかアルバムとして全体が好きです。飛ばす曲のないアルバムです。
    SECRETSはThree Miles Downが一番好きです。地獄からのお迎えのようなダークなオーラがただよってます。
    ダークなスキャットがキャッチーですよね、たしか来日したときにもやってました。
    当時どういうわけかクアトロに見に行けたんです。
    アフロくずれにキャップというかなりアレな感じのお方でした。
  2. しば氏→
    クアトロに行ったんですか〜。羨ましいです。キャップを被った「アレ」な姿は、ライヴ映像で観ることも出来ます。あの格好、狙っているのか、マジなのか、格好いいのか悪いのか解りませんね。
    Winter In Americaは、今の時代(と季節)にもマッチしていますね。僕が最初に出会ったのは(多くの人がそうであった様に)、このアルバムに収録されているThe Bottleです。当時の田島貴男氏は、歌唱とアレンジ・・全てに影響を受けていましたね。
    Secretsの中で好きなのは、Angola Louisianaです。
  3. よしみーん

    「キーボードを弾く星一徹」に吹きました。オバマ大統領のスピーチから私はキング牧師のスピーチなどをたどってみたんですが、非暴力を掲げた牧師の語気と表情は、どこか怒りに満ちていてコワい・・という矛盾した印象をうけていたところです。・・という私はカンケーないけど牧師と同じ誕生日です。
  4. よしみーんさん→
    確かに、オバマ氏の演説は、キング牧師やケネディからも、かなり影響を受けている様ですね。聞こえが良い言葉の中ではありますが、国民には相当キツイ義務を強いている様に思いました。優しそうなイメージがありますが、自分にも他人にも、非常に厳しい。そこがカッコイイんでしょうね。ギル・スコットもそんな感じです。