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date 2011.4.21
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可能性という言葉

可能性という言葉

数年前にAERAの別冊かなにかで読んだのだけれど(はっきり覚えていませんが、日本語の特集でした)、「可能性という言葉が崩壊している」という部分だけが頭から離れない。本来は、良い意味でしか使われていなかった「可能性」という言葉が、悪い場面でも使われる様になってきたということ。言葉は時代とともに変化するのは仕方がないんですが、「可能性」という言葉だけは従来通りの使い方がいいんじゃないだろうか。NHKでも大手の新聞、ウェブでも、平気でこういう使い方をしている→「炉心が溶融している可能性がある」とか「放射性物質が流出している可能性がある」とか。前者の場合は「溶融している疑いがある」「溶融している恐れがある」などの方が、より事態を把握しやすい。後者の場合でも「流出している危険性がある」と言った方が親切だと思う。このままでは「子供には無限の可能性がある」といった文章が「不良になる」という意味まで含まれてしまうことになる、あれ?既にそうなっているかな?「可能性」を、良い意味で使いたい。

メディアのみなさん、よろしくお願いいたします。

Comments: 6 comments

  1. あ、ほんとうですね。
    不安を感じさせる言葉に変わってしまった可能性がありますね。
    →不安を感じさせる言葉に変わってしまった恐れがありますね。
  2. ohtematic

    はな→
    そうなんですよ〜。不安の方が先にいっちゃってる。恐れとか、疑いというのは感情が入りすぎているという解釈なのかなあ。
  3. まいくろふと

    「確認されていません」という発表や報道も耳に付きます。可能性も確認も「どうなっているのか正確なことは分かっていません」と言ってるだけですね。「分かっていない」と言えば無責任な表現として指摘されるので、隠れ蓑のような使い方になっている気がします。他に、中止や断念を「見送り」や「見合わせ」と表現して、この先の中止ではない状態があるような気にさせている。
  4. ohtematic

    まいくろふとさん→
    そうですね。全くその通りですね。小さな会議に出席して意見を述べると「検討しておきます」とあっさり言われる。検討って?マスコミもそうだけど、一般的な社会でも「逃げの台詞」ばかりがまかりとおっています。これでは、日本は変わりませんよ。昨日、ニコニコ動画で観た孫社長の歯切れの良さを見習って欲しいなあ。ほとんどの答えが「是非やりましょう!」でしたよ。ちなみに僕は「お忙しいですか」と聞かれたら絶対に「暇です」と答える様にしています。話がズレちゃったかな?
  5. まいくろふと

    ズレてないと思いますよ。私も「今、(お時間)大丈夫ですか?」と訊かれると、よほどの状態ではない限り「大丈夫です」と応えてますし。
    いずれの表現も、そもそもの日本語の語源と照らし合わせれば、さほど間違った使い方をしていないと思います。何がおかしいか。使っている場所や、その言葉を発する人の立場からして、あり得ない表現だと感じています。報道や発表には婉曲的な表現はよろしくない。ニュース解説などの最後の決め台詞で「考えていかねばなりません」的な、問題提起で終わらせるのも気に障る。つまり提起した体裁の放棄。言葉に責任が伴わないから使いやすいのでしょう。私も気がつかないで、似たような表現を使っているかもしれません。日本の悪しき流行りになっている気がします。
  6. ohtematic

    まいくろふとさん→
    そうですね。問題提起で終わるのは報道に限らず、物語でも「もしかして、あなたの隣にいるかも知れません」的なとナレーションで終わると完全に萎えますね。
    雑誌では「◎◎◎を知っていますか?」という見出しが気になる。何か、馬鹿にされているような気が・・・「どうせ知らねえヨ」という感じになってしまいます。こういう誘い文句はこの10年で一気に増えた。
    気になる言葉遣いの話題はキリがないですなあ〜