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date 2012.4.10
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重機vs有機

重機vs有機

小さい頃は、正義の味方と言えば、メカ(重機)を操る人間とロボットがヒーローで、悪役は獣をモチーフとした有機的なカタチが殆どだった。時代背景から考えると、高度経済成長期でビルがバンバン建つ様子などと重なって、それはそれで良かったんだろう。昔ほど単純な物語の構造は許されなくなったにしても、相変わらずロボット側は人気なのかも知れない。しかしどうなんだろうか。大人になってから、僕の映画体験で言うと「ダンス・ウィズ・ウルブス」あたりから価値観が移っている様に感じる。近代文明に便乗している側から昔の知恵で生活しているネイティブ系へ眼差しが向けられる様になった。例えばピクサーの映画「カーズ」でも限界集落にひょんな事から飛び込んでしまった主人公マックイーンが、昔ながらの街と、そこで生活している人たちに影響を受ける。勝ち負けと効率しかない現代の価値観に揺さぶりをかけることがテーマですね。登場人物全てが車なので「メカ対有機」の構図はないが、「アバター」ではそのあたりが明確になってくる。こちらも軍産複合体(重機)の側へ身を置く主人公ジェイクが、原住民側(有機)に感化される話だ。ここでは子供の頃とは真逆で、メカは完全な悪として描かれている。この流れで行くとハイテクを駆使するヒーローは減って行くかも・・・。「田舎のネズミと都会のネズミ」というイソップの物語があって、これは誰が読んでも田舎の方が有利という感じがするから、時代がぐるっと一巡したことになるのでは。話としては、イソップ童話からアバターまで、自分の中では繋がっているんです。

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