21世紀の残り90年をどう生きるか?(8)
早い人は、既に移住を始めています。本ブログにいつも書き込んでくれる方からの情報ですが、例えば建築家の坂口恭平氏は、「GoogleもIKEAも本社を関西に移転したらしい。ソーシャルネットワークを駆使している人間は動くことを恐れない。土地と固まっている人間は動くことを恐れてしまう。その違いが今この瞬間如実に現れてきている。」と語っていますし、ご自身も熊本に拠点を移されたとの事。また、これも本ブログに書き込んでくれる方から「ゲーム業界でもフリーの作家は関西、九州に避難している」とコメントがありました。避難や疎開、といった言葉が目立ってきている様にも思いますが、ここは「未来の日本のために、前向きに動く」という考え方でないといけないのではないかと思っています。
「移住するポイント」を書いておきます。
これは、もし現在首都圏にお住まいで、自分のルーツが西日本にある方の場合は、親戚や知り合いを辿るのがベストですし、当然、そうなると思います。自分の祖先の記憶が、周りの住人の脳裏にわずかでも残っているのであれば、本当にラッキーです。僕の場合は、これに相当します。昨年夏に行われたGNJでも、岡本仁さんと、まさにこの事についてのトークショウを行いました(本ブログの関連記事・是非読んで!)。
田舎に住んでいると、今回の震災で見えてきた部分というのが明確に解るんです。何が原発容認型社会を形成しているのか?という事が。移住するポイントの二つ目は「最近出来上がったコミュニティはなるべく避けて欲しい」ということです。これはうろ覚えなのですが、以前、沖縄ブームがあった時に、首都圏からの移住者がコミュニティらしきものを形成しつつあるという話を聞いたんです。そうなってしまうと、意味がない。高度経済成長期に後回しにしたもの、失われたものを、現代のスタイルで復活させるというのがこれからの日本のテーマだからです。ですから、僕は「集合住宅を避ける」「新興住宅地を避ける」といった部分が重要だと考えます。集合住宅は、個人の自由度が薄くなる。自然エネルギーを取り入れようと思っても、反対する家庭がひとつでもあれば実現出来ない。また、新興住宅地は、似た様な年齢層、家族構成で成り立っている場合が多く、多摩ニュータウンなどの例で見られる様に、一気に住宅地、住人ともに老化してしまう問題を抱えています。また、多様な大人の姿を見られないために子供の夢の幅が狭くなるとも言われています。ついでに液状化現象の起こる確率も高い。
僕が恵まれていたのは、昔ながらの集落に移り住めた事です。長老や自治会長さんの顔が見える。昔ながらの風習も残っている(関連記事)。何故、こんな社会になってしまったのかという問題の一番の原因は、上司の言う事は聞くけれどお年寄りの話は聞かなくなったからだといえるでしょう。つまり、それまで「社会」だったものが「会社」になってしまった。経済効率や利便性だけのレールを進んできてしまった。ですから、以前にも書きましたが、若い方は是非、限界集落と言われている場所に積極的に移り住んで、独居老人の方のお話を聞くところから始めてほしいんです。2005年に、東京空気というWEBサイトTVの取材で「東京は頭脳で、田舎は手足のようなもの」と発言しました。限界集落は、その中でも指先、足先の毛細血管の様なところなんです。こういう場所が壊死したために、日本の動きが鈍ってしまった。頭でっかちのオシャレ野郎では、もう通用しません。早く、動いてください!
広瀬正己
2011/04/05 12:13
はじめまして、私、デザイナーとイラストレーターをしております広瀬と申します。
今回初めて書き込みさせて頂きます。 以前から大寺さんの存在もまた活動もまた
作品もブログも拝見させて頂いています。 素晴らしい作品の完成度と志の高さと
活動の拠点を東京から鹿児島に移す等、本当に勇気や実行力等を勉強させて頂いています。 実は私は、8年前から長崎から東京の雑誌社を中心に2年間のあいだに3度
営業上京し、6年前から完全に単身上京しコツコツ営業して仕事を頂き今に至っています。今回の福島原発の件で16日から長崎の家に避難していましたが6日の明日、上京します。私事ですが、妻も働いていまして、私が帰省していたら人事異動で長崎〜佐世保に転勤が決まり、妻の引っ越しまで手伝ってから上京しようと思い、昨日引っ越しが終わり、明日帰ります。 私の独り息子が大学で山口に居て独り暮らしの生活で、これからは家族3人の4世帯生活がはじまります。 大寺さんの存在はかなり前から知っていましたが、4年程前でしょうか? SNAの飛行機で帰省した際に機内誌の紙面に大寺さんが紹介されていまして、東京から鹿児島に移住を決めた、記事を目にしました。 僕ごときが言う事ではありませんが、僕の逆を実行された大寺さんを
本当にスゴい覚悟と決断をされたんだな〜と、深く考えさせられました。それからは、私は、頻繁に大寺さんのHPやブログを拝見させて頂いています。
今回、福島の原発でも私自身本当に考えさせられましたし、大寺さんの考え方にも深く考えさせられました。 実は以前から書き込みをしたかったのですが、私ごときが
1流のイラストレーターさんにと、書きあぐねていましたが、私は明日上京しますので、書き込みしてみようか、と思い勇気を出して書きました。 顔もお会いした事もなくこのようなメールの失礼本当にご許し下さい。もしも、可能であれば、またメールさせて下さい。 それでは、長いメール失礼致しました。
argo
2011/04/05 13:17
先に書き込みをされた方と対照的で恐縮ですが・・・
以前読んだ記事で、先祖代々東京育ちの男性が、「こちらから頼んでもいないのに、あちこちから人が集まって来て街をいじくり回し汚して汚して、都合が悪くなったらハイさよなら、なんて勝手すぎる。」とコメントしていました。
東京の特殊性って、他所から来た人たちが作ったものでもありますよね。
もし今、鹿児島で原発事故が起こり移住を余儀なくされたら、大寺さんは何処に住みますか?愛着のあるその家を簡単に捨てることは出来ますか?
「鹿児島のオシャレ野郎」と言われて不愉快じゃないですか?
私の理想は自給自足型生活ですけど、最近の大寺さんの記事はエキセントリックにも感じます。足も大事、心臓も大事、すべては一つに繋がってるのだから、からだ全体を治す方向を考えたいです。
argo
2011/04/05 17:09
私の知人は原発の現状をライフワークで追っています。
私自身も原発に反対です。
風力発電を進めるべきだし、過度に便利な生活は見直すべき。
東京一極集中の歪みを正して(捨てて?)、日本が均等に住みよい国になれば良いと思っています。
でも、なにか・・・釈然としないんです。
人類は古代文明の昔から都市を目指すものと読んだことがあります。
どこかが都市になるとしても、東京の轍を踏まないように。
ohtematic
2011/04/05 19:34
コメントどうも有り難うございます!僕がいつも感情的な記事を書いているので、なかなかコメントしづらいと思います。そんな中、貴重なご意見有り難うございます。単身赴任というスタイルで、東京での生活を始めたのですね。これからどうされるのか解りませんが、東京の事務所は仲間の事務所のデスクひとつを借りて、本拠地は長崎へ・・・という具合にシフトしていってもイイかも知れませんね。僕も、本当に経済的余裕があれば、東京支所を構えたかったんです。ただ、今となってはもう難しいでしょうね。今回の原発問題が落ち着くまでは、どう行動して良いのか解らない方の方が多いと思います。この歳になると捨てるものより守るものの方が多かったりしますからね。ただ、未来の日本を真剣に考えたいと(人ごとではなく、自分のために)思っています。いつも読んで頂き有り難うございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ohtematic
2011/04/05 19:51
コメント有り難うございます!ある意味、反対意見が出てきたという事で、本当に感謝しています。こういう議論が増えて行かないと健全なサイトだとは言えませんからね。おっしゃっている事、良く解ります。僕も、32年間東京で暮らしていましたので、東京の良い部分は知っているつもりです。ただ、この10年で100万人の人口増というのは、やはり静観出来ないんです。おそらくargoさんにとっても、住みにくくなっていると思います。東京の適正人口は江戸時代の300万人程度だと言われていますし、その頃はエコ都市だった。そういうレベルまで何とか戻せないでしょうか。また、猪瀬直樹氏は、山手線圏内を政府直轄の区域にして、東京都ではなく全国に税収を分配するアイデアを持っていました。古代文明の頃から都市を目指すというのは、確かにそうですよね。これも911テロの際の立花隆氏からの受け売りですが「メトロポリスはネグロポリス(墓石都市)」になるという歴史を人類は繰り返してきたと語っています。まさに今の東京はそんな状況だと思います。ローマは滅びてしまいましたが、東京には絶対に滅んでほしくない。日本人の英知を結集して守らなくては。だから適正人口に戻って欲しい。また、誤解して欲しくないのですが、僕は鹿児島市の中心部に住む友人にも、とにかく事ある毎に田舎暮らしを勧めています。鹿児島の中でも一極集中が起こっており、新築のタワーマンションが売れたりしているんです。どこかおかしい。また、僕の住む日置市でも平成の大合併以降、中心部が賑わって周辺地域の過疎化が加速しています。国や自治体が進めている「コンパクトシティ構想」の罠にはまりつつあるのではないかという懸念を感じています。これは、市民を管理する側が統治しやすいというだけで、本当の弱者を救う政策ではありません。日本中で「長いものに巻かれろ」的な空気が漂っているんです。今回の震災でも解る様に、最終的には国が自分を守ってくれるとは思えない。人間の究極の目的は「自由に生きること」だと思います。日本という国は大切にしたいけれど、霞ヶ関の人の言いなりになるという事とは別問題。ですから、今回の一連の記事は感情的になってしまった、エキセントリックに映ってしまうかも知れませんね。もし、気分を害されたのであれば、申し訳なく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
argo
2011/04/06 11:39
気分を害してなどないです、お気遣い有り難うございます。
時々ですが、サイト見せていただいて楽しんでいます。
今後とも宜しくお願いいたします。
しば
2011/04/07 22:48
今回のような事態の場合、行動や判断に大きく差が出てくるでしょう。
大寺さんはもうすでにご覧になっているでしょうが、
つけておきますね、未見の形はぜひ。
上杉隆氏の報告?です。廃業したくなるのもちょっと解る気がする…
http://live.nicovideo.jp/watch/lv45744832?from=lv45667988
http://live.nicovideo.jp/watch/lv45748912
ohtematic
2011/04/08 04:14
この動画、チェック済みでした。今回、上杉隆氏はテレビやラジオを降板させられた事で、信用度がますます高まりましたね。ヒーローだと思います。彼の言っている事の100%が正しくないのかも知れませんが、人格を通して伝わってくるものがあります。一方、マスコミは感動悲話の方に話を引っ張ろうとして目線を反らす感じがありますよね。日本全国、そうだと思いますが、年代ごとに情報格差がはっきりと現れてしまいました。僕らが70代、80代になったとき、既得権益や地域独占のない自由な社会が築かれています様に。上杉氏はジャーナリストを本当に辞めてしまうんですか?惜しい。
こっちもスゴかったですね。http://www.youtube.com/watch?v=ovv2__vc-Nk
しば
2011/04/08 15:50
広瀬氏の話を聞くと、どんな人災かがよくわかりました。
評論家の小川氏の親族が第二原発で作業しているそうです。3月にJ-waveに出演時の話ですが、マスクさえもない状態で作業にあたってそうです。(現状は不明ですが)
個人的には最初の爆発が起った時の評論家の一人が、前かがみの姿勢からがっくり背もたれに身を沈めたのを見た時、「あ、終わったんだ」と感じました。
ohtematic
2011/04/10 06:13
身を沈めた瞬間って、恐ろしいですね。戦争は放棄していたけれども、それ同様(もしくはそれ以上)の種を抱えていたというのは、本当に悔しい。自分たちにも責任はありますけど。