西田橋
1993年の8.6水害で、鹿児島市の中心を流れる甲突川に架かっていた5つの石橋のうち、2つが流失してしまいました。残った3つの橋は現在、石橋記念公園という新しい場所に移設され、モニュメント的役割を与えられています。江戸時代末期の城下整備で築かれた橋達は、県民にとって大切な文化遺産でしたが、安全第一という観点から撤去されてしまったのです。この撤去に抗して、多数の市民や美術家が立ち上がり、現地保存を目指し、107日間をかけて西田橋の拓本を採りました。それから10年、「西田橋の拓本と美術家たちの10年展」が開かれます。西田橋の拓本の展示と、出品作家30名の作品展示がその内容になります。期間は12月21日から25日、場所は黎明館(第一特別展示室)です。
↑参考文献(1)「西田橋を拓本で残す会」(代表)関 好明さんの挨拶文(2)石橋記念公園の案内板
前置きが長くなってしまいましたが、この作品展に参加することになりました。僕はこの保存運動に参加していないし、また、西田橋に関する想い出も全くないのです。これまできちんと活動されてきた方達と同じ立場・・という訳には勿論いきません。という事で、どのような橋か確かめに行ってきました。資料館もあったので、どのように橋が造られ、利用されてきたのか、おおまかに想像することは出来ました。あとは、どのように作品にまとめるかです。美術家ではないので、いつもの自分のスタイルをぶつけるしかないのですが・・。
yappy
2005/11/17 00:29
僕は夏休みの自由研究に「西田橋」を選び,現地でスケッチし平田靱負の伝記を読み漁りました。
そして時が流れ・・・
僕は今,西田橋を解体し移転保存する側にいます。
建築・土木を職とする人々と交わる時,本当にみんなアウトドアライフが好きで自然を深く愛していることを感じます。
机上で難しい本を読んでいる人より,屋根のないところで働いている人の方が,きっと自然の素晴らしさや怖さが解るはずだから。
破壊無しに都市が発展するのか,人は生きていけるのか,そして今造っているものが200年先に通用するのか,・・・もう一度じっくり考え直してみたいと思います。
文化か防災か,という択一論ではなく。
マティック
2005/11/17 01:13
西田橋、yappyさんにとっても思いで深い橋なのですね。移転保存する側・・というのは小学生の自分から見て、意外な立場なのでしょうか。都市の発展・・というキーワードを見直す時期に来ているのでしょう。ヴェニスの様に、何百年も前の姿を残す街でも、活き活きとしていれば、ある意味で発展し続ける訳ですよね。日本はヨーロッパに比べると建築素材に恵まれていないので、結果として破壊を繰り返すのかも知れません。だとしたら、余計に高い美意識が必要だと思います。