水戸岡鋭治さんを訪ねて(2)
「デザイン」の勉強をする場合、「服飾」なのか「平面」なのか「立体」なのか、はたまた「建築」なのか・・・多くは最初に決めなくてはならない。しかし水戸岡さんの場合は、全てを手掛けている・・・何故なんだろう。素朴な疑問だったが、インタビューを始めて間もなく、その答えが解った。水戸岡さんは、全てを受け入れる。話をとことん聞く。クライアントではなく、顧客の立場で潜り込んでいく・・・。僕とはまったく逆のスタンスであった。僕はグラフィックに特化した勉強しかしなかったし「関係ないと思ったものは、受け入れない」という事で個性を築こうと試みてきた。話を聞くうちに、自分のやっている方向が間違っていると、何度も思った。水戸岡さんの視線の焦点は、ルネサンス期の芸術家たち。科学と芸術の距離が無かった時代。最近になって細分化されたデザインの境界線は、どうでも良いこと。途中、水戸岡さんのお話しの、あまりの情報量の多さに寒気が走り、体が震えだしてしまった。自分の体にこんな反応が起こるとは、思ってもみなかった。水戸岡さんの口調は、とても優しい。しかしその背後にある情熱に圧倒されてしまったのだろう。水戸岡さんの世界観は、頑強であり、清潔で、健康的で、非の打ち所のない正当派である。しかし裏返して見れば、子供のような狂気を感じることが出来る。真剣に取り組んでいる姿が、半端ではない。純粋に、羨ましいと思った。こんな人物を初めて目の当たりにして、僕はうろたえるしかなかった。
chaco
2006/03/27 10:10
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/todai_design/04/index.html
あのMATiCさんがここまで心揺さぶられるなんて!
インタビューの出来上がりが、楽しみです。
またお話聞かせてください。
マティック
2006/03/27 23:10
水戸岡さんの前では、恐らく、殆どのデザイナー、イラストレーター、自称アーティストや自称クリエイターの人々は無力でしょうね。
この記事の仕上がり、どうなるのか僕も楽しみです。