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date 2006.5.8
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アートマーケットで考えたこと


一般的に見て難解なものを、作家側から「芸術ですから」と言ってしまう事は簡単である。見る側も「芸術的ですね」と言い、きちんとした考察を放棄する。結局のところ、芸術とかアートという言葉は、お茶を濁してしまうために使われる事が多い。本来は、もっと真面目なものだと思う。そうであって欲しい。
僕が一番気になるのは、作り手側が、その情熱をいきなりスタイルに結びつけようとしている点だ。勿論、情熱は必要。しかし若いうちは、もっと試行錯誤しなくては。いきなりスタイルを獲得してしまうことは、テクニックを放棄することに他ならない、近い終着点で良いのだろうか。テクニック・・・と書いてしまうと単純に技術と誤解されがちだが、最も深く追求すべき、神聖なものだと思う。技術や技巧に導かれる旅には終わりがない、そこが楽しい。僕の考えでは、スタイルはテクニックの上にしか成り立たないのである。テクニックは後からついてきますよ・・という言葉も、若い人から良く聞く。どうだろうか。いきなり行き着いたスタイルには、テクニックが入り込む余地がない。日帰り旅行でもイイのなら構わないが・・・。

Comments: 3 comments

  1. マスカラスター

    私も同じく感じるトコロであります。
    “アートと身近に接する”という点では評価できるのですが
    その反面あまりにも簡単に“アーティスト”と名乗るヒト達が増える事で
    レベル(技術含め意識)の低下に繋がっていくのではないかと…
    “アーティスト”は過程を見て欲しい!
    “プロ”は結果を出してこそ! というように
    双方の考えの違いからそう感じるのかもしれませんが。
    改めて日々精進、日々鍛錬、鍛えます!です(笑
  2. 審査員おつかれさまでした。
    確かにスタイルの確立=結果を急いでいる様な感じはします。
    自分のような商業デザインに身を置く者は結果重視になってしまいがちなのですが、ファインアート系を標榜する作家陣の中にも生半可に商業的システムを取り込みどっち付かずのパラドクスに陥っている様子も…
    芸術に殉ぜよ!とまでは言いませんが一生を賭けてでも続けていくモノだと思うのなら真摯になるべきだと自分自身にもですが思います。
  3. マスカラさん→
    関心を持ってくれる人達が増えるのは、とてもイイ事ですよね。その後、作り手側も、見る側(買う側)も成長していかないと、底の浅い文化のまま終わってしまうと思うのです。本気で「ものつくり」をする作家が増えればいいですね。マスカラさんも出店されては?
    ヒガさん→
    お疲れ様でした。おっしゃる通り、どっちつかずの時代かも知れませんね。ヒガさんの作品は、ちょっと微妙なポジションなんですよね。普段、プロとして活動されているので。もっと寡黙になるか、爆発するか・・・どちらかでしょうね。僕も公募展には落ちまくりでした。