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date 2010.3.4
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ひとつの事に集中

ひとつの事に集中

先日行われたDesign Market 2010 in Kanoya のトークショウにて、鹿児島でプロフェッショナルを増やそう!という話をしました。「スポーツ万能の選手は、どこか信用出来ない」という例を出したりして。イラストレーターはイラストだけに、写真家は写真だけに全身全霊を傾ければ良いのであって、そういう「狭い姿勢」が一般の視線からは「解りやすい職業」として認識されると。グラフィックデザインの場合、大都市圏以外の地域ではどこでも抱えている問題だと思うんですが、クライアントと印刷業の間にあるべき職業が見えにくくなっているんですね。
デザイン百覧会で出会った若者は「イラストと写真がやりたいけど、公務員になる」と言っていた。僕は「そういう姿勢で臨む写真やイラストは、絶対に趣味の範囲を超えない」と言い、「きちんと公務員の仕事をして、道楽している姿は市民に見せるな」と付け加えた。公務員は、公務員のプロになるべきなんです。きちんと働けば地方公務員であっても、中央官庁から引き抜かれる筈です(NHKでやってました)。
何でも出来る、という事は何も出来ない、という意味にも取れます。人生、いろいろとやることはあるけれど、ひとつの事に集中している「イイ意味で不器用な人」が減ってきている様に感じます。

Comments: 15 comments

  1. 先日はどうもありがとうございました。
    トークショウとてもよかったです!

    「プロフェッショナルになるべき」のくだり、まさにその通りで、でも自分ではうまく言葉にできなかったことが、大寺さんの言葉でずいぶんスッキリ気持ちよくなりました。

    ていうか大寺さんカッコよすぎです。やられちゃいましたよ。

    と同時に地方→地域で自分に出来ることは何か、とあれから考えてます。
    そして、その手がかりになったことがうれしいです。

    また、デザインマーケット自体もとても刺激になりました。
    ぶっちゃけ期待せずに行ったのですが(関係者のみなさんスミマセン)、
    キッチリ出来てる感にやられました。
    次回も行きます。

    またお会いできるのを楽しみにしてます。
  2. ohtematic

    とおるさん→
    有り難うございます!プロになるべき、という話は自分に対しても当てはまるんですよ。ちょっとしたおせっかいで、イラスト以外の部分を手がけない様にしています。あの手の話は、自分の首を絞めているかも知れませんね・・・。
    地域の問題点は、殆どのクリエイターが地域の仕事を回し合っていたり、官公庁の仕事に頼らざるを得ない状況が続いていたり・・・みんなが向き合っている点にあると思うんです。うまくいく夫婦の秘訣じゃないですけど、みんなで同じ方向を向いていれば変わるのでは。県外や海外の仕事が増えれば、地域が潤うと思います。
    鹿屋の皆さん、頑張っていましたよね。宮崎からも近くていいです。次回は是非とおるさんも出展してください!
  3. イラストと写真やって公務員だったら夢のようですね〜。ていうか、すごい発想。夢見る少年なのですね。しょうがないな〜笑。
    大人になると、そう思い通りにいかないことに気付くでしょうね。生きて行くっていろいろ大変ですもの。お金はかかるし、責任は追うようになるし、だからこそ頑張れちゃうっていうのもあるんでしょうけどね。
    私は若いうちはなんでもしとけ派です。どうせ年をとるほどに、脳のほうが柔軟性がなくなって、たくさんのことできなくなりますから、必然と自分のするべき事は決まってくる気がしています。ま、そんな私だから、器用貧乏で苦しんでいるのかもしれません。
    さて、以前からお聞きしたかったのですが、イラストレーターとして、いろんなタッチを描けるということも避けた方がいいことでしょうか?イラストレーターとして地方にいれば、いろんなものを求められるので、ある程度は対応しなくてはならない気がしています。ぜひ師匠のご意見お聞かせいただければと思います。
  4. ミッシー・トントン(三島知美) 

    大寺さん、おはようございます。
    鹿屋デザインマーケット2日目に行ってきました。
    1日目のトークショーは、都合で行けませんでしたが、2日目も楽しい街づくりの話がありました。そして、大寺さんの言うこと凄くよくわかります。私もやっと皆さんの力を頂きながら、イラストレーターとして、独り立ちします。(ほんとうにこれからですが・・・。そして、これしか出来ない。)それから、私が考えていた問題、地域の問題として、向き合っている同業者。本当にそうですね、同じ方向を見ていればいいんだ。なんだか解決策を大寺さんから頂いた気がします。私は、問題を解決して、きんごきんご(磨くの意味)でがんばります。
  5. すっとん卿

    公務員イラストカメラマンの話は
    「優しい妻とかわいい子供が欲しいですね」
    「あと、愛人が二人欲しいです」
    といった内容ですね。
    甲斐性の問題と倫理性の問題。
    僕の立場は「餅は餅屋」です。
  6. すっとん卿

    上のたとえ、不適切ですね。
    自分で気付けないのが情けないですが、
    ちゃんとした大人の知人から
    厳しく注意されました。

    自分では消去はできないですが、
    お詫びして撤回させていただきます。
    大寺さん並びに読んで不快になられた方、
    すみませんでした

    意見としては「餅は餅屋」だけで良い。
    お調子者が名のあるイラストレーターのHPを
    汚してしまいました。
    今後は書き込みを控えさせていただきます。
  7. ohtematic

    chinatsuさん→
    ご無沙汰しております。chinatsuさんの様に「夢見る少年」と解釈すると、平和な感じがしますね・・・。イラストレーターとしていろんなタッチが描けるというのは、僕としては全然アリです。ただ「誰々風に描いてくれ」というリクエストをそのまま受けてしまったらNGですよね。中国みたいなコピー文化になってしまう。どんなイラストを描いても「chinatsuさんだよね、コレ。」と認識される様な、何種類か描ける作風よりも作家性の方が際だっていれば、誇りが崩れることはないと思うんです。スタジオ・ミュージシャンは、いろんなアーティストと組んでも自分の個性を崩すことなく、しかもそのアーティストを引き立てる事が出来ます。僕の尊敬するミュージシャンの殆どは、そういう姿勢の方です。決してオレオレではない。
    ミッシー・トントンさん→
    コメント、有り難うございます。そうですか!解決策になりましたか!鹿児島を拠点にするプロフェッショナルのイラストレーターが一人でも多く出てくればいいですね。ptaさんが「鹿児島にはシーンがない」とおっしゃっていたのですが、プロとはこういうモノ、という姿勢を幅広く若い人たちに知ってもらう事で、徐々にシーンが形成されると信じたいですね。
    すっとん卿さん→
    コメント、有り難うございます。不適切とは思いませんので、お気になさらずに!
  8. ちょっと上手とか、人当たりがいいとか、それだけじゃタッグ組んで仕事したいとは思えないですよね。一緒に仕事しましょう!と言いたくなる人は、みんな本業一本で食っていくぞという気迫を感じます。
    それが仕事に出るし、ヌケ(爽快感みたいなもの)があるし、語るのはいいからとにかくたくさん描いて作って生きてきた人は、すぐに分かる。

    イラスト見た瞬間、どんなタッチだって何を描いていたって、マティックさんもChinatsuさんもすぐ分かるから、デザイナーは惚れるんだと思いますよ。
    あら、どさくさに紛れて告白〜!
  9. ohtematic

    はなさん→
    あらら、有り難うございま〜す〜!この世界、口八丁で仕事をしている人も少なからずいますからね。言語以前の絵で何かを伝えるというのは、実にやりがいがあります。そもそも、話が上手かったら落語家や司会業を目指していたかも知れませんし。
  10. スタジオミュージシャンの例えはベストだと思います。
    僕も以前話すことがあったのですが、
    「スタジオミュージシャンとは・・」みたいなとこから
    話さないといけない場面に出くわしたとき、
    話がより複雑に・・。とほほ・・。
    「自分の個性を〜アーティストを引き立てる事が出来ます」
    「決してオレオレではない。」
    ここなんですよねぇ。
  11. ohtematic

    ptaさん→
    話がより複雑になったというのは、残念ですね。個性を出す事と、社会に自分を滲ませていく事、これを同じと捉えるか、反対の事として捉えるか。
    説明しにくい事ではあるんですが、解って欲しいですね。
  12. サファリをアップデートしたら書き込めるようになりました。
    そんなに古いバージョンだった訳ではないのですが、、、、。

    上記のオーテマくんの話に大大大反対!!!!!

    その1
    きちんと仕事してれば、趣味で何してようがいいじゃない!
    せっかくの人生ホントは全部したいよ。
    無趣味の公務員ばっかりだったら、
    文化事業の話なんか一切伝わらなくて困るだけでしょ?
    ワシは1つに集中大反対!!!!
    「広く浅く2,3ヶ所深く」をオススメします!
    巨人の星の星飛雄馬にならないように!!!!

    その2
    もし映画監督だったら
    照明のことしかできない照明さんは雇わない。
    「俺だったらこういう映画を撮る」という志やアイデアを持った人を
    スタッフにしたい。
    そうじゃないと上から指示出してるだけで虚しいし、
    楽しくなれない。熱くなれない。一生続くわけがない!

    その3
    スポーツ選手などは寿命が早い。一生貫くのは現実問題厳しい。
    グラビアアイドルなんか一生一筋にやられたら、
    婆さんのビキニ姿を見せられることになる。ホントお断りです。
    育成側にまわったとしても、育成する人多すぎだよ。

    その4
    時代が変わっていくから、柔軟に対応することが必要。
    時代に対応した方が自分が生まれ死んでいく期間を満喫したことになる。
    江戸時代に生まれてたなら、江戸を満喫したい。
    2000年前後の時代を満喫したい。一つじゃ満喫できない人も多いでしょ?

    その5
    時代やテクノロジーの進歩で次々新しい商売が生まれてくる。
    誰かが新しいビジネスに転換したから生まれてくる。
    みんなが1つに集中してたら個々のちょっとした進化があるだけで、
    どんどん増える人口分の業務拡大は無理なんじゃないかな?


    イラストレーターでも
    ファッション誌で活躍してる人、音楽系で稼いでる人、
    推理小説だけでやってってる人、レトロ専門な人、などなど
    趣味で信頼を得ていて仕事が成立している人が多い。
    イラスト1本の人には頼めないでしょ?

    以前も言ったと思うけど、
    映画好きの映画監督は映画現場の映画しか撮れないんだよ。
    元医者の映画監督が撮った医療の現場映画とか、裁判官の撮る裁判映画とか
    リアリティあるだろうな〜ちゃんと問題定義できるだろうな〜見たいな〜。

    やっぱスタジオミュ−ジシャンなんかみんなは興味ないんだよ。
    オーテマくんもちゃんと趣味があるし、
    それがなかったら今とは違うイラスト描いてたと思うよ。
  13. ohtematic

    ダーンサくん→
    熱いコメント、有り難うございます。僕も、基本的にはダーンサの言うとおりだと思うよ。だけど、それはダーンサの言っている様に「きちんと仕事していれば」という前提があっての話だよね。この前提を持っていない若者がいかに多いか。希望がぼんやりしている。世の中の入り口は狭い・・「何でも屋」で入ってしまうと、何でも出来るけど何も出来ない人になってしまうけど、例えばダーンサの様に、イラストレーターとして社会に認識されれば、「イラストレーターがやってるDJ」という風に、付加価値が出るんです。みうらじゅんだって、イラストレーターからスタートしている。僕が言いたいのは、何かひとつ、覚悟を決めてやって欲しいという事。東京の様に、イラストレーター業界もないし、まあ、それが鹿児島の良さでもあるんだけど、とにかく、今はプロフェッショナルってどういう事なのか、きちんと大人が見せる必要があると思っています。肩肘を張ってでも伝えたいんだけど、間違っているかな?学生の頃、ダーンサも僕も、寝る間も惜しんでいろんな企業に作品を持って行ったじゃない?あの頃があるから今がある。ああいう感覚を伝えたい。若い人たちの目が死んでいる。甘い社会では暮らしたくないんですよ。
  14. マティック氏の言わんとすること,ストレートに伝わってきます。
    決して「趣味でやるデザイン」そのものを否定するのではなく,
    「退路を断って挑む真剣さがなければプロフェッショナルな仕事は出来ない」
    ことを伝えたかったのだと。

    僕もジャズや映画が大好き。
    ・・・でもそれを仕事にしてしまうと,純粋に楽しめなかったと思います。
    仕事に貴賤はありません。でも「誇り」は必要です。
    自分の仕事に誇りを持つ。趣味も全力で楽しむ。
    そんな背中を後輩達に見せたいと思います。
  15. ohtematic

    yappyさん→
    有り難うございます。ただ「安定のために」という理由で就職してしまった場合、それはずっと労働でしかなく、恐らく本人もストレスを抱えながら働くことになるばかりか、同じ職場の人に対しても失礼だと思うんです。yappyさんがおっしゃる様に、きちんと仕事をして、誇りを持つ事が必要ですね。そうでなければ、趣味も趣味でなくなってしまいます。