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date 2010.10.7
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個展会場の往復と音楽

個展会場の往復と音楽

個展会場と自宅の往復。毎日変わっていく景色を見るのも楽しみのひとつ。特に最近は、田園の色が急に黄金色になり、辺り一面が輝いています。新緑が光る時期もあるけど、収穫前の色も実に気持ちのいいものです。刈り取られる前の儚さ。こうした景色を楽しみながら走る車中で流す音楽も大切ですね。愛機のiPodTouch(2nd generation)の調子が悪いので(多分修理に出すと思う)、今は往復の時間を考慮し、CDを二枚選んでから車に乗り込みます。iPodに頼ってきた最近の僕なんですが、この二枚をササッと選ぶ作業が楽しい。買った時の場所、思い出、自分のおかれていた状況などがジャケットや盤面に刻まれている様な気がします。プレイリストで管理された音楽を、その場の気分で選ぶという行為よりも、感情を揺さぶられるんです。聴く責任感も自然と出てくる。しかも、シャッフルプレイはしないので、CDの冒頭から最後までを丁寧に聴く。たまに耐えられない曲を飛ばしたりしますけど。LP時代のアルバムをCDで買い直したものは、B面の一曲目に相当する部分が解るので、ちょっと気分が変わったり。LPというのは、ベスト盤などを除き、殆どの場合が大きな物語でくくられていました。まさにアルバムだった訳ですが、今の人は音楽と対峙する暇がないかも知れませんね。音楽を聴く人の姿勢が雑になれば、それに呼応する様に音楽を作る側も(無意識的に)雑な音楽を提供してしまうことになりかねません。あまり考えたくはありませんけど、音楽に限らず、そういう問題が表面化してきています。デジタル化社会、フラット化社会のこうした弊害は、鑑賞者側、消費者側の真摯な姿勢で、最終的には消え去っていくと信じたいですね。勿論、作り手側にも責任はあります。

Comments: 6 comments

  1. いろんな場所で見られる「社会の不公平」が
    フラット化社会を招いていると思います。
    必然と言えばそれまでですけど、
    自分だけでもじたばたしていたいな、と思います、ね。
  2. ohtematic

    遊子さん→
    コメント有り難うございます。いろんな場所で見られる「社会の不公平」って、具体的にはどういう事でしょうか。教えてください!
  3. 「社会の不公平」=格差、ともいいますね。
    たとえば、テレビ局を例にとってみます。
    映像チェックしてOK出すだけ、バブル期入社の年収ん千万のプロデューサーと昼夜とわず働いてる年収200万以下のADくん。ADくんは自分の年収の低さを嘆くこともなく「ちっ。今ドキ、テレビなんてダセー」といってテレビを全然見ないでケータイでゲーム、ツイッター。オレのほうがよっぽどクリエイティブだぜ、と思ってる。「テレビは危機をむかえている」と口では言ってるプロデューサーは、実はツイッターなんか見なくてもほくほく生きられるから、内心、貧乏人のメディアだと思っているツイッターに心底脅威は感じていない。そんな格差社会が産んだねじれ現象もタイムラインに並べてみればお互い傷つかないし不安もない。だからツイッターは大繁盛。みんなが同列にならべるんだから平和なんだからフラットがいいよね。という。
    ・・わかりますかね。
    あと、手作りブームとかカスタマイズブームとか、人間から実は選択肢を減らしてる行為で完全にフラット化現象だと思いますけど、これも大量生産大量消費をほんのりごまかすために産まれた人間の知恵ではないかと思います。

    格差や不公平をほんのり隠すことなんじゃないかと思うんです。フラット化。

    あ〜伝わるかなあ。複雑な世の中ですね。
    でもわたしはフラット化、きらいじゃないんです。
    だってフラットですよ。悪く言うのもちがうなあ、と。
  4. ohtematic

    遊子さん→
    興味深い話題ですね。僕の立場はそのプロデューサーともADくんとも違うのですが、若い人たちが、社会の構造を登っていく階段自体に興味がなくなりつつあるんじゃないかと思っています。そのADくんは、プロデューサーの事を羨ましく思っていない訳ですよね。そんな感じで、イラストで言うと、物凄く絵が描けても就職し、安月給で働いて満足してしまうというか。格差というのは、そういう・・・上手い言葉が見つかりませんが・・・クリエイティブな仕事に携わっているくせに消費者として満足しきってしまう姿勢が生み出すものなのかも知れませんね。twitterで、確かに、超有名人と一般人の意見、プロとアマチュアの意見が並んでしまう事でフラットになってしまう訳ですけど、僕は、このままの状態では「プロにしか出来ない事」が確実に存在するにもかかわらず「これなら私にも出来る」派が多数を占めて、それが正義になってしまうのではないかと思っています。伝わりづらいかも知れませんが、格差があっていい分野があるのに、それがフラット化される事で「目標を失う」若者が出現してきたのは事実ですね。手作りとカスタマイズの話は良く解らないので、また教えて下さい。
  5. 手作りとカスタマイズの話は・・また説明すると長くなるので、
    今度会ったときお話ししたいです。
    大寺さん、かごしまからUstとかしてみては?
  6. ohtematic

    遊子さん→
    地域でのクリエイティブワークについてという趣旨のustは、今年の二月に流した事があります。鹿児島の中だけで活動していても食えないという話。農畜産物の様に、どんどん県外へ出て行く産業があるのに、デザインの領域では県内に縛られている業者や個人があまりにも多い。これからは変わっていくと思いたいですけれど。