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date 2013.5.29
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展覧会のコト

展覧会のコト

6/1より薩摩川内市・隈之城にあるギャラリー「U1 SPACE」で始まるグループ展について、少しお話したいと思います。
僕は学生時代最後の年(1989年)に、バイト代をつぎ込んで渋谷にあったギャラリー「ART WAD’S」で初めての個展を開きました。その頃、イラストレーターが憧れていたギャラリーというのはそんなにありませんでした。イラストレーションの専門誌といえば(今でも発行されていますが)玄光社の「イラストレーション」くらいしかなかった。そんな中で、憧れ中の憧れとして、表参道のHBギャラリーが存在していた訳なんです。HB STUDIOの唐仁原教久さんがオーナーを務めるこのギャラリーは、間違いなくイラストレーターになるにはココ!という意味を持っていました。今の様に多様化したデザインシーンからはどう見えているのか解らないけれども、僕が駆け出しの頃というのは、しっかりとしたデザイン界の核があったと思います。画期的だったのは、HBギャラリーが主催して行われている「ファイルコンペ」という企画。賞をもらうと、一週間ギャラリーが無料で借りられる。バタフライ・ストロークの青木克憲さんをはじめとして様々な才能が世の中に紹介されていきました。・・・また、落選した人もファイルがギャラリーに残り、デザイン事務所やクライアントがHBギャラリーで閲覧出来るという仕組みを作ったのも画期的。インターネットもまだなかった時代、そういう意味でもHBギャラリーは検索システム的な役割を担っていました(今でも続いています)。僕は、審査員賞を受けることはありませんでしたが、ファイルがきっかけとなって、実にいろんな仕事を頂きました。今の自分を支えているのは、この頃に作った人脈がベースになっています。後日、あらためてファイルを持って営業に行き、審査の厳しいHBギャラリーで何とか個展を開く事が出来ました。一週間のレンタル料は決して安いものではありませんでしたが、それだけ自分に投資するだけの場所だった訳です。(僕が鹿児島に移住する相談を聞いてくださったのも唐仁原さんでした)。その唐仁原さんが、5年前に監修して立ち上げたのが、隈之城の「U1 SPACE」なのです。5年間、鹿児島でイラストレーターのみの展覧会を続けてきた意義というのは相当に大きい筈です。どこまでイラストレーターという仕事が認知されたのか、そのひとつの転換点となる展覧会だと思っています。HBの例にならって鹿児島でも3年続いているファイルコンペ。その受賞者と、これまでかかわった鹿児島在住のイラストレーターのグループ展になります。6月1日16時からは、作家によるギャラリートーク、6月22日には唐仁原さんも東京から駆けつけてくださいます。是非お出かけ下さい。

Comments: 4 comments

  1. 自分一人で空間をまとめあげる、直接見る人と話す、個展は大きなプレゼンテーションの場として大切だと思います。
    仕事を頼む側としては「作品の魅力+仕事のやり取りが出来るか+イラストレーターの社会性や個性」を総合的に考えなくてはならず、気になる方が個展をやってくれると嬉しいですねー。
    U1で見せていただいたM/Yさんはその場で仕事のイメージがわき、速攻で依頼することが出来ました。今回もひっそり中途半端な平日にお邪魔して、のんびり拝見したいと思っています。
  2. ohtematic

    はなさん→
    さりげなくU1に出向いているんですね〜〜さすが。アンテナ張ってますね〜!個展は、準備までは地味〜な作業だけど、会場でいろんな人と話すと勉強になるし、何より楽しいですよね。はなさんも個展どうですか〜。
  3. あはは、人生を美術で折り返したので、今後は音楽の演奏会かな?(なんちゃって)
    表現することは奥が深くって、日々の暮らしも仕事も含めて、田舎暮らしは忙しいですよね〜!
  4. ohtematic

    はなさん→
    これから音楽に夢中になれるって、素敵ですね。美術と音楽は表裏一体とかなんとか、おっしゃっていましたね。自分は、他に何も出来ませんので・・・。