水戸岡鋭治さんを訪ねて(最終回)
究極のマイノリティ・・・。水戸岡さんは所属する事を嫌う。クライアントとの接触も必要最小限。そして、決して業界ズレはしていない。ひたすら純粋に一点を見つめている印象があった。全ての力は、自分に携わった人々を満足させるためだけに注がれる。恐ろしい量のエネルギーを、エンジンに送り込み続ける。回転効率を高める方法は、自分に対して厳しくなる事なのだろう。「デザイナーは公僕たれ」との発言から察するに、自分を理性の殻に閉じこめている時間は相当長いのではないか。このような立場を築かれるまでは、様々な組織からの誘いがあったことは容易に想像が出来る。その点を尋ねてみたが「所属すると、本来の目的を見失う」との事だった。まったく正しい。何とか団体、何とか協会・・・と言ったものは励ましあうためにあるのか、僕にも良く解らない。結局は、村社会を形成してしまい、身動きが取れなくなってしまうのだ。孤独であるが故にこなせる仕事がある。そのスケールはとてつもなく大きかった。
貴重なお時間を割いて頂いた水戸岡さん、どうも有り難うございました。そして、この企画を立てて頂いた渕上印刷株式会社のM氏とW氏、同行して頂いたカメラマンのO氏、どうも有り難うございました。