上原直哉展@ギャラリー杜
16日に既に終了してしまっている展覧会ですが、あまりに良かったので記録しておきます。鹿児島では、様々なジャンルの作家との交流が自然と出来上がり、展覧会には何度も足を運ぶ訳ですが・・・最近観た中では一番刺激的でした。素晴らしかった。自分のやりたい世界観と共通している部分もあって(などと言ってしまうと上原さんに失礼かもしれませんが・・・)、非常に解りやすかったんです。彼の手法は油絵なので、当然、僕のやり方よりも時間や重みを感じ取れます。廃墟をメインのモチーフとしていますが、組み合わせられているものは異色で、地下鉄や潜水艦、或いは沖縄の建築物などなど。重みと言ってしまいましたが、感覚的には非常にポップ。タイトルも、思わせぶりなものは一つもなく、「素敵な眺め」とか・・・そんな素直なものが多かったと記憶しています。
結局のところ、描写力に裏付けされているものが僕は好きです。ここに到達するために、どれだけの手順を踏んだのかが経験から解るからかも知れません。それは、絵の善し悪しとは関係ないと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、描写力の裏付け自体が、自分にとっては一番の励みになりますね。コンセプチュアルなもの、ちょっと一工夫のもの、勢いだけで成り立っているもの、そういう良さを否定する訳ではありませんが、自分にとって軸足を置きたいのは描写なんだと、再認識させられる展覧会でした。