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date 2008.3.9
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問題を単純化する


子供向けの乗り物ビデオの中で、東京駅の駅長さんにインタビューする場面があった「駅長さんの一番の仕事は何ですか?」という問いに対して「お客さんに楽しく旅をしてもらうこと」との答え。次に「駅長さんになるためにはどうすればいいのでしょうか?」という問いには「誰よりも鉄道を好きになること、そして、約束を守ること」と答えていた。テキストで書いてしまうとさりげないが、僕はこのシーンを見る度に感動してしまう(何度か見ている)。この駅長さんは、数ある言い回しの中から最も魅力的で簡単な言葉を選ぶ能力に長けている。解りにくい大人が目立つ中、スカッとする人柄でした。「楽しく旅を」という部分は、普通の大人であれば「安全に旅を」と言ってしまうのではないか。「鉄道を好きになること」というのも「鉄道の事を沢山勉強する」という言い回しになるかも知れない。そして「約束を守る」。これにはズキッときました。こうした、物事を単純化して伝えられる人物が大人の社会にもっと必要なのではないかと。僕は、メディアで目立つ「遺憾である」という言葉が嫌いなのですが、何か問題をぼやかしてしまう様に聞こえるんです。
自分の仕事に結びつけて考えると「解りやすい絵をどれだけ描けるのか」という問題にぶつかりますね。独りよがりの絵を描くことは一番簡単なので、何としてでも避けたいところ。デザインの場合は伝える事が目的ですから。

Comments: 2 comments

  1. 明確なコンセプトの上にだけ成り立つ明快な表現。
    表現先行ですすめられる議論にはうんざりです。
    思想も理念もしっかり感じさせてくれる
    駅長さんのコトバ、いいですね。
    シンプルなものほど多弁です。
  2. ptaさん→
    御無沙汰しております!そうですね、シンプルな表現って、いろいろと考えさせられますよね。僕は放っておくと物事を複雑にしたり、細かく描き込んだりするタイプなので、注意が必要なんですね。
    そういう意味で感動しました。