授業での1コマ
二週間に一度の専門学校の授業・・・「最近、絵が描けない」という生徒に出会った。モチベーションがなかなか高まらないパターンで一番多い理由の一つに「絵が好きすぎる」という事がある。絵に対する理想像というものがあって、そこに行くまでの助走期間がひたすら長い。ずっとスケッチを重ねて、発表はしない。「描き続ける事が必要」と指導するけれど、それは助走を続けろという意味ではないのだ。プロになりたい場合は、描くという行動と発表がセットになっていると思う。草野球のグラウンドで素振りだけしていては、どうしようもない。意味を持つ場所で、あるいは人に対して動いて欲しい。授業では、提出された作品に対して「こうした方がイイ」という技術論に終始してしまう事が多いけど、本当はそれ以前の「物腰」を教えたい。絵が好きすぎると動けない。生徒達は僕の半分しか生きていないけど、それでも考えている時間はないと思う。
誤解があるといけないので、補足をしておくと、僕は勿論絵が好きなのですが、一方でそういう自分を見放している部分がある、もっと誤解を招くかな・・。ここのところ、寝る時間以外はずっと絵を描いていますが、殆ど自動的に体が動いている。そういう「心体離脱」の境地を早く知って欲しい。
また、同じ日に授業の一環で、生徒から写真を撮られる機会があった。その生徒はカメラを構えたままじっと動かなかった。しゃがんだり、机の上に登ったり、もっといろんなアングルから撮影するべきだったのではないか。世の中にはカメラ好きだけど、しゃがんで撮影出来ない大人が沢山いる。こういう意味のない好奇心を持った大人にはなって欲しくないのだった。
いつも帰り道で、ああ言えば良かったと後悔している。
よしみ〜ん
2008/07/25 02:45
マティック
2008/07/25 08:06
寝る前に書いたのですが、今読み返して見ると随分偉そうな事を書いていますね。スミマセン。ブログも、発表し続ける舞台としてはイイですよね。
はな
2008/07/25 10:06
その試合も最初はぼろ負け続きで、それでも4割打てたら名バッターと思って、バット引きずって立たないといけないし。
なかなか体育会系です。
chinatsu
2008/07/25 10:28
このお話、以前個人的に教えていただきましたが、私もようやくわかってきた気がします。
言葉の取り方で、確かに誤解を招く気もしますが、それは絵を描く仕事をする者として、幸せなことだと今は思います。
マティック
2008/07/25 11:31
打席に立って試合に臨む日・・・そうですよね!僕の場合はそういう日が明確にありましたね。23歳の時にアルバイトで貯めた30万円くらいを投じて個展をやった。自分で決めないと駄目ですね。誘われて開く展覧会とは意味が違います。
chinatsuさん→
デザインの場合は、依頼主や受け手との共同作業的な部分が大きいから、自我を通しているとストレスも溜まりますし、いい仕事が出来ません。僕が担当しているのはアートではなくイラストを教える授業ですから、そのあたりを解って欲しいですね。
millokae
2008/07/25 16:14
よしみ〜ん
2008/07/25 22:25
マティック
2008/07/26 08:56
18〜20歳の期間に何かあったのでしょうか?逆に僕はmillokaeさんから学びたい事があります!
よしみ〜んさん→
デザイン指導って、具体的にどんなものだか解りませんが、生徒の作品を講評するスタイルでしょうか?僕の授業のスタイルなんですが、まず3日前までに生徒の作品データを送ってもらいます。それを僕が(iWorkの)Keynoteで整理し、当日プロジェクターで投影し、プレゼン形式で進めていきます。