無垢な学生達・・・
専門学校での授業。「好きな映画をテーマに」という事でイラストを描いてきてもらった。提出したのは4名で、うち3名が超大作系を選んでいた。「トップガン」「アルマゲドン」「ボーン・アイデンティティ」。思うに、彼らはいろんな映画を観てこれらの作品にたどり着いたのではなく、この手の映画しか知らないのではないか・・・?
若い頃は、それこそ、自分だけの映画を探したものだ。誰もが知らない事を独り占めにしている様な快感もあるだろうし、低予算で作家の個性が際だっている作品にのみ見受けられる、独特の空気感を楽しんでいたのかも知れない。今は多チャンネル化も進んでいるし、インターネットで超レアな映像も簡単に手に入る。それが逆に彼らの好奇心を衰退させているのか?映画の「文化としての重み」が薄れてしまったのか。マイナーなものしか受け入れられないというヒネクレ者になっても仕方がないんですが・・・。結果として超大作が好きなら、何も言うことはない。僕も、いろいろと観てきて、結局はスター・ウォーズだったりするので・・・。でも、多分彼らは無垢なだけだ。参考作品として見せた和田誠さんのイラストも「知らない」という学生ばかりであった。プロ野球選手になろうとしているのに、王貞治を知らないようなものだと思うんだけど。
あとは、まったく別の角度の話になってしまいますが、仮に超大作が好きでも「ここはカッコつける場だろう」という事で、特に思い入れはないアート系の映画を無理してプレゼンしちゃっても良かった訳ですよね。何というか、そういう「ハッタリかます」姿勢には意味があると思うんですよ、特に若い頃は!
頼むから、今のうちにいろんなものを見て!
純粋無垢のまま、作家になるのもひとつの手なのだろうか。そうかもね・・・。
ヒガ
2008/10/23 15:10
以前と違いニッチな方向性の作風の作家の絵がネットや色々な媒体で見られる現在ですので色々知識を仕入れてというよりは欲しい情報のみを手に入れたい故に和田誠さんを知らなかったり映画等にも興味が薄いのかしら?と感じています。
頼むから、今のうちにいろんなものを見て!>
将来『イラストレーター』になるのであれば映画コラムの依頼等も考えられますし多くの情報を仕入れ咀嚼できるようになっておくことに損はないのでは?と思います。
つく
2008/10/23 15:42
マティック
2008/10/23 16:12
なるほど、ニッチばかりに囲まれる結果、逆に超メジャーが目に入ってこないという見方はありますね。そうなってくると、自分はメジャーな市場での活動を最初から視野に入れないという事になってしまいます。無意識的に。どうやって生活していくか?を考える上で、イラストレーション市場の感覚、映画の興業システムなどを知っておく必要はあると思うんです。
つくさん→
なるほど〜!でも、逆に僕はそっちを知らなかったりします・・・。レミパンの旦那さん、と言っても良かったかな?純粋に、ジェネレーションギャップですね。
doggie
2008/10/23 16:31
まぁ、出てきた音が良ければ良いンでしょうけど、何となく???な感じです。U '・' U
マティック
2008/10/23 21:21
そうですか。深刻な問題ですよね・・・。音楽の場合はサンプリングが主流になってきて、「使える」「使えない」的な聴き方をする人が多いのでは?そうなってくると、歴史や人脈まで、ひたすら分断する作業になってくる訳ですよね。こういう時代だからこそ、突き抜けたオリジナリティが欲しいところです。結局は生演奏かも知れませんが・・・。
マツダ
2008/10/23 22:15
音楽も映画もそつなくたしなむ程度な人が増えているかも。
ひどい場合は「映画観ません。疲れるから」
「ジブリ系なら」
ジブリもいいけど
背伸びしてほしい。
愚痴っていても仕方がないと思い
都築潤さんと予備校でコンビの時は
たまに生徒に映画紹介しました
まあオレも都築さんに映画の見方を教えてもらった感じです。
キューブリック全般
「男と女」「キャリー」
「ファントム・オブ・パラダイス」
「椿三十郎」などなど
ちゃんと
どうゆう映画なのかナビして。
その後生徒それぞれが
いろんな探求をしていくのが凄く嬉しかったです。
Tessy
2008/10/23 23:28
我々の時代は、限定されたモノの中で、ひたすらおよいでたので、知ってる、と知らない、とを判別しやすかったのかな、と思ったりもします。
逆にネット社会になったために、口コミが、本当の本質を突いているのか
わからないけど、ついつい抽出できるので、影響されてしまい、無難なものにおさまり、難解なものには挑戦せず臆病になったりして。
マンガなどが特にそうですが、マンガ好きなわたしは、小学校の頃は、「小学○年生」から「ガロ」まで読みまくったものですが、現在では、出版数の多さに、(ま、昔に比べ、下手な漫画家が、多いのもがっかりものですが(×_×;))どうしてもネットのチカラや、実際に立ち読みなどで読まないと、ムリですね、マイナー系は。
やっぱりそんな時代なのでしょ〜か。
ダーンサ
2008/10/24 03:50
本当に本気で好きなのでは?
マティック
2008/10/24 04:01
ナビつきで教えるというのは、実に念の入った作業ですね。しかも、美術予備校?でしたよね。合格という結果を求めて、敢えて遠回りした感じでしょうか・・・さすがです。探求とか、飽くなき好奇心を教えるのって難しいですよね・・・。その授業、聞いてみたいです。かなりマニアックな内容なんですよね。
Tessyさん→
我々は、メジャーな文化を共有出来ていたから、その枝葉も認識出来たのでしょうね。ウルトラマンとウルトラファイトの違い。今は区別出来ないのかな?ネットの出現で、メインであるべき軸が分断されたり、価値観の多様化が進んだ。で・・・結果として無難な方向に落ち着いてしまうというのは、ちょっと予想外の展開ですよね。いろんなチャンネルがあるけど、やはりキー局が制作した様な大型バラエティ、或いはハリウッド超大作が好きという事態に。カウンターカルチャーとしてのモノ作り、こういう方向性は萎えてしまいましたね。
マティック
2008/10/24 04:42
確かに、古い映画を挙げてきたなあ?と思ったので聞いてみたところ、まだ小さかった頃に家族で観た、という事でした。
本気で好きなんだと思います。その部分は大切にしておいて欲しいポイントなんです。そこから、どうやって吸収〜展開していくのかが見えにくかったのです。
マツダ
2008/10/24 18:16
たとえば
実相寺監督のウルトラセヴンだったら
構図とか光と影の演出
ファントム・オブ・パラダイスだったら
今では当たり前な分割画面とか
メジャーでもマニアックでもいいからデプス(深み)が欲しい
マティック
2008/10/25 05:59
作り手として一歩下がって観て欲しいという気持ちはありますね。劇場ではひたすら楽しんでいいのですが、それ以降は分析に回る
というか・・・。光と影は、年を追う毎にテーマになってきています!今、日本の殆どのイラストは平面的だから・・・。