住む場所がなくなる、ということ
派遣社員の不当解雇に伴う住宅問題が話題になっている。僕は1989年の暮れに突然父をくも膜下出血で亡くした。それまで、生まれてからずっと借家〜父の働く職場が抱える住宅〜でずっと暮らしていた。ところが、父が死亡退職すると「あと3ヶ月以内に出て行って欲しい」との通告を受けた。この時の不安というのは、今思い出しても恐ろしいものだった。持ち家のない敗北感。母と公営住宅の抽選会に何度も足を運んだが、一度も当選しなかった。住宅金融公庫の何とか貯金・・(思い出せない)をしている人は当選確率が上がるとか、そんな話も聞いた。東京で母と暮らす場所を民間の不動産で探すとなれば、家賃は相当の覚悟が必要である。ラッキーな事に、父の職場の仲間が、母に住み込みで働ける仕事を与えてくれて、その場を凌ぐ事が出来た。それから10年かけて、僕は鹿児島移住の準備をしたのだ。思うに、今住居に困っている労働者達に故郷はないのか?もし、夢を持って都会に出てきたのだったら、素直に帰った方がいい。僕の様に(父が退職後に住む予定だった)本籍地が空いているのだったら利用すればいい。そういう意志がある人に、政府は例の定額給付金を出すべきでは?今回の現象は、日本が高度経済成長を成し遂げた後も、都会志向が続いている事へのひとつの回答ではないのかと思う。成長は達成されたのだから、戻ってバランスをとらなくてはという自然の摂理が働いているのかも知れない。実際、随分前から飽和していたのだろう。溢れ出てしまった労働者達は、乱暴な言い方だけど「田舎で仕事を作る」或いは「既存の枠組みに囚われない働き方を探る」という役割を与えられていると思う。20年前の僕が住居を失いかけた時、この二つの言葉をいやというほど頭と体の中に増幅させていったのだ。何とかなる。
タカタ
2008/12/25 03:01
マティック
2008/12/25 06:08
先日はこちらこそどうも・・・。考えてみるとあの時、相当歩きましたよね。
農業!ですか。でもそれが正解だと思います。「自分の食べるものは自分で作る」という当たり前の時代に戻るかも知れませんね。21世紀の産業革命というか・・・溢れた労働力を農業にシフトしていく、というモデルは、かなり健全だと思います。
Katsuya
2008/12/25 09:34
特に農業、漁業なんて慢性的な人材不足。
工場の仕事と比較すれば辛いけど、仕事はありますし、仕事は自分でも作れるんですよね。
僕も日雇い、派遣の仕事を経験してるんで、最近のニュースを見ると、
「派遣切り?当然じゃないの?なんのために企業が正社員を雇用せず派遣に頼るのか考えてないのかな?」と思ってしまいます。
キツイいい方かも知れないけど、自分でそういう生き方を選んだ以上、
派遣切りをする企業や他人のせいにするのはお門違いじゃないのと思いますね…
今はそういう社会の構造変革の時期にきてると思います。
政府も目先のことに対してごちゃごちゃ言う前に、
将来の日本の展望を示せばいいんですけどね…
食料自給率が40%切ってるのに減反政策をしてるくらいなんですから、
豊富な人材を生かして第一次産業復興を目指せばいいのにと思います。
それと、スイスみたいにモノづくりに特化するのもいいかもですね。
大田区や東大阪の中小の工場の人たちの技術力って、どこにも負けないと思うんですけどね。
マティック
2008/12/26 05:24
そうですね。おっしゃる通りだと思います。何故、現在の様に農業から工業へと人が流れていったのか、その大きな仕組みを理解している筈の政府が、きちんと見直していかなくてはいけませんね。鹿児島に住んでいると、農業でも漁業でも、誇りを持って働いている人を見る機会は多いのですが、それがきちんと都市部に伝わっているのか。電子立国や自動車産業だけではないんだと・・・。例えば、もっと目立つ、ヒーロー的存在の農家や漁師を見つけ出して「第一次産業の時代、到来」を若い世代にアピールして欲しいですね。