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date 2008.2.1
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スケッチとは?


タイムトンネルにて、とある建築家の方と、とある音楽家の方と、ひょんな事から3者会談が行われた。全く違う仕事でありながら、会談を進めていく内に、ある共通した悩みを抱えている事に気がついた。それは「完成予想として提出したパース画やデモ音楽、スケッチなどが、完成された状態よりも高く評価されるケースが増えている」という事だ。他の例でも、とあるデザイナーなどは、家庭用プリンタの出力状態の鮮やかさが、最終的に印刷された状態よりも「美しい」と捉えられるケースがあるので、敢えて色を抑えた状態でカンプを提出するという。
言いたいことはこうだ。「お手軽な状態が、魂を込めて作った状態よりも気に入られてしまう。」制作者側としては全く納得がいかない話なのだが、こういう価値観が今、世の中全体を覆いつつある。観る目や聴く耳、時代と共に変化していくのかも知れないが、セミプロやハイアマチュア(って何?)という様な中途半端な位置に属する人が増殖している事の証でもある。「これなら自分にも出来るかも知れない」と思ってモノを作っている人と「全てを注ぎ込んで」モノを作っている人は全く違うと思うんですけどね。

Comments: 2 comments

  1. 同感です!
    最近のデジカメ、プリンタ(家庭用の)色が派手(鮮やか?)になり深みのない方向に向かっているような気がします。
    それを良しとする人が多いからそうなのでしょう。
    >こういう価値観が今、世の中全体を覆いつつある。
    TVの番組制作にしても、お笑いタレントにしても、にわか?陶芸家の作品にしても、創作料理にしても受ければそれでOK!という世が・・
    それが時代(流行)といえば何にも言えないのですが、
    モノ創りは、ヒトの方を見て作るのじゃなく
    モノを見て(対峙して)作る限り傲慢にはなり得ない。
    と、よく思います。
    まだまだ良いものを・・まだまだ自分の力不足・・と。
  2. 珈琲人さん→
    モノを見て作る限り傲慢にはなり得ない、というのは、本当にそうですね。絵の場合で言えば、同世代の作家よりもルネサンス期の巨匠の作品を見た方がイイというか・・・・。
    お手軽な価値観のマズイ部分は、ソフト自体の癖を自分のセンスと勘違いしてしまう点ですね。本来、オリジナリティを持った形が、プリセットされた形に置き換えられてしまう恐怖。これを意識出来るか出来ないかなんですね。
    僕も気をつけないと、罠にはまってしまいます。