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date 2010.6.8
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レンタルCDを耐えるという姿勢で聴けるか。

レンタルCDを耐えるという姿勢で聴けるか。

ちょっと前に気になっていたが、買うのをためらっていたCD。昨日レンタル屋さんで借りてしまった。早速聴いてみたが、やはりイマイチだった。もし、いつものようにきちんと買っていたら、評価は変わっていたのかも知れないと後悔した。「買う」という行為には自分のポテンシャルを引き上げるという意味も含まれているからだ。責任も生まれる。イマイチだと思っても、もしかするとイイかも知れないという可能性に賭けて何度も何度も聴く。そうしているうちに、7曲目がとても好きになったりする。実際、7曲目というのはLP時代で言えばB面一曲目のキャッチーなナンバーから、ラストを繋ぐという意味で風変わりな僕好みの作品が多い。レンタルの場合は、自ずと評価軸が厳しくなる。厳しいのではなく、乱暴になる。そこには買ったという責任がないから。結局の所、ネット上にサンプルが溢れてしまっているのでアルバム単位で「聴き倒す」という行為はなくなってしまったに等しい。表面的に鮮やかなものばかりが受け入れられたりする(逆に、個人的な小品も同じマーケットに並び、評価されるという側面もあるけど)。アートも「買わないと解らない」と良く言われる。何でもかんでもそうだ。首相がコロコロで変わってしまうのも、見えにくい税金で参加しているからであって、個人献金という行動が一般化すれば避けられるかも知れない。今の状態では評価軸が乱暴なままだから、ちょっとしたミスに耐えられず支持率がどんどん変わるんだろう。耐えるという姿勢が、サンプル文化によって破壊されてしまったのではないか。

Comments: 3 comments

  1. frognalway

    作家の河野多恵子氏が文章上達の極意のひとつとして「本は買って読む」というのを挙げておられたのを思い出しました。衣服と同じで「自分で択び、自分のお金で買うことで、当たり外れの満足と忌々しさの経験を積んでこそ進歩するのである」(『小説の秘密をめぐる十二章』文春文庫版、233ページ)。気に入らなくても、手許に置いておけば、ふと気が向いた時に手にとって、新しい魅力を発見するということもあって、「返却する必要のない自分の本であればこそ、そのように文章に対する関心の培われ得る、そういう機会にも出会えるのである」(236ページ)。そういうことって意外と大きいと思いますね。
  2. 基本、音楽は買います。作者に届く拍手として
    お金のない時は図書館で借ります。(でも良いのは少ない)
    今はYOUTUBEで視聴します。うろ覚えの曲を探すのに意外と便利!
    どうにも買えそうにない12インチはダウンロードしちゃいますけど…へへへ

    B面の1曲目!
    良い曲、いっぱいありますよね!
    起承転結って重要だなっ、というより人間の生理的な心地よさが起承転結なんだろな
    「アルバム全体を知っている」込みでさらに曲の良さが引き立つ
    5人いるからこそのブルーのかっこ良さ。って事だろうか?
  3. ohtematic

    frognalwayさん→
    なるほど・・・本もまた然りですね。学生にはデザイン書籍の立ち読みを勧めていますが、本当に欲しい資料は無理をしてでも買った方がいいでしょうね。実際、僕も今朝の仕事では10年以上前に買った書籍を参考にしましたし。結局、モノを所有する事で得られる「何か」ですよね・・・。サンプルに触れただけで解った気になるのが一番怖い。「む展」、有り難うございました!もう少しゆっくりお話出来れば良かったのですが・・・。
    しば氏→
    音楽は僕もなるべく買い続けたい。DVDやブルーレイもそうです。「作者に届く拍手」って、良く解ります。3980円のDVDを高いと見るか安いと見るか。自分は作り手なので安いと考えた方が気が楽です。LP時代って、起承転結がありましたよね。流れを楽しんでいた。レコードをひっくり返す手間も、また音楽の一部。今の様な垂れ流し状態ではどうにもなりませんなあ。
    図書館とレンタル屋はアテにならないんですよね。リクエストしたとしても、待ち時間がありますし。やはり買って、