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date 2010.6.28
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お久しぶりです。

お久しぶりです。

しばらく、更新を怠っていました。ちょっと、いろいろとありまして。
本ブログにいつもコメントを頂いているS氏に勧められて「サイゾー」7月号の高城剛×小林弘人による「フリー」論を読んでみました。極端な意見に聞こえる部分も多いものの、「クリエイションで儲けるのはかっこ悪い」というフレーズを世の中の流れとして受け止めました。(受け止めただけですよ。)このままでは、旧態依然としたプロフェッショナルは淘汰されてしまうんだろうと。学生には「プロになれ」と指導しているものの、恐らく生理的に、彼らは僕の言っている事が理解出来ていないんだろうと思う。僕がプロを目指していた頃の世の中、そして空気自体があまりにも違うから。そんな中で営業スタイル・・・例えば業界に歩み寄る方法などを語っても仕方がない。既得権益や体制が解体されつつあるから。結局は「純粋な絵の技術」寄りの話に終始する事で、自らを戒めていくしかなく、学生にも正確に伝えていくしかない。そのイラストの授業を持っている専門学校の卒業式では、まったく逆の意見を述べる先生もおられた「これからは絵が描けてもしょうがない。そんなのパソコンがやってくれる。それよりもきちんと喋れないと駄目だ」と。絵を描いている学生に向けてこの発言。驚いた。ここのところ、僕の周りでは「仕組み」の話が多い。このブログでも展覧会における絵は、絵自体の意味よりも、その場での人との出会いに意味が移っている、と述べたこともある。自分の展覧会で、会場に常時滞在しないのは圧倒的な損失を意味する。「フリー」論では、CDや本を売ること自体もカッコ悪いと表現されている。結局のところ、ネット社会が飽和してきて、逆に人間の時代になってきたといえるのでは。20年ほど前に、何かの本で横尾忠則氏が「精神世界が実現したら芸術はいらなくなる」と言っていた。そういう状態に近いか。だが「写真家や僕の様なイラストレーターは必要とされなくなる」と言われると、正直なところ、困る。いや、それだけを軸に幼少の頃から生きてきたから。ただ、「フリー」論で述べられている様な危機感は、随分前から持っていた。旧態依然としないために、「鹿児島での生活」を選択したのだった。生活スタイルを含めて表現していかなくては駄目だ、と何度も語ってきたし。自分の場合はイラストの技術を磨いて、何かを組み合わせた価値を提供しなくてはいけない。いつも模索中だ。ただやはり、その基盤となる部分が「なんちゃって」では、それこそカッコ悪いのではないだろうかと思っている。絵の基礎だけは変わらないで欲しい。仕組みの時代だからこそ、確実なものを作りたい。「フリー」論・・・興味深い対談で、良く読んでみると前向きなヒントだらけでした。「サイゾー」を買ったのは何年ぶりだろうか。

Comments: 6 comments

  1. >これからは絵が描けてもしょうがない・・・きちんと喋れないと駄目だ。
    なるほど。
    じゃ「絵が描けて(作れて)パソコンも使いこなせて喋れたら最強」になるわけですね。
    「きちんと喋る」って、声の大小や押しの強さに関係なく、丁寧に自分の言葉を出せるかどうか。カッコにこだわってることもカッコ悪いなと思いますけれども・・・。

    いろいろ・・・あったんですね。
    打ち上げは一段落したら実施いたしましょう!
  2. ohtematic

    はなさん→
    シロタ株展?お疲れ様でした。行けなくて残念!
    美術系という言葉が古いかも知れませんが、「最後の砦」としての覚悟でやっている人が多いと思います。小・中学校では運動部ではなく、掲示係や文化祭の大道具係など、裏方的存在の人。喋れと言われても・・・ねえ。口達者じゃないところがイイとか、絵でしか伝えられない事があるから絵を描いている訳ですよね・・・。カッコにコダワルのは格好悪いというのも、良く解る話です。
  3. いろいろ言いたい事もありますが…
    さっき入浴中に思った事
    『それよりもきちんと喋れないと駄目だ』って
    ぶりっと剥けば、「ド下手でもシャベリが上手けりゃ映画を何本も撮れる」みたいな?

    ついでに他の高城氏の対談とかも読んでみました(webに点在)
    なんか未来の新聞を見てきて目についた見出しを言っているみたいで、
    視点や指摘対象が飛散しすぎて所々『ん?』てなります。
    言ってることは「うん、まぁね〜」と思うけど…

    「お金」で金儲けする時代はもういいだろ、と思う。
  4. ohtematic

    しば氏→
    高城氏の運営する「フューチャーパイレーツ」の外部スタッフを希望して、直接高城氏と会った経験があります。向こうは覚えていないと思うけど・・・。「いか天」の後続番組「えび天」の審査員の頃からファンでした。何をやっているのか当時から良く解らなかったけど、審査の内容がひたすら前向きだった事が印象に残っています。基本的には正しい人なんだと思います。とりあえず、勢いのあるものを否定するから、予言としては当たるんですよね。アップルが10年後駄目になっているとか。誤解を受けやすくもある訳なんですが。クリエイションで儲けるのは格好悪いけど、野菜を売るのはオーケイ・・・って、冷静に考えてみれば農業は第一次産業で、最もクリエイティブなんですよね。経済効率や利便性で物事を語る時代が終わっているという読みは正しいと思います。
  5. そうなんです、風貌や話し方のポジティブさが
    どうしても「胡散臭さ」を誘発してしまうんですよね。

    以前で言えば部屋を埋めるアイテムのハッタリ加減とか…

    ただ彼が自分の発言が話題として広がることも
    念頭にあるかと思うと…なんか。
    自分で話題をふっておいてなんですが…

    まんまと術にはまってしまった!
  6. ohtematic

    しば氏→
    何をやっているか解らないけど、ひたすら注目されるという・・・やはり才能があるんでしょうね。周りが放っておかない。羨ましいかというと、そうではない。とにかく胡散臭いオヤジにはなりたくないですよね。気をつけよう・・・っと。