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date 2015.12.4
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シンメトリーな風景

シンメトリーな風景

友達の個展を観に行った帰りに不思議な風景に遭遇しました。行き止まりの道、新興住宅地?その向こうに桜島。この状況が、手前の同じような形をした二本の枯れ木に挟まれています。
僕は、高校の2年間と浪人の1年間、ほぼ毎日ポスターカラーを使って美術系大学の入試に備えた「平面構成」という課題に取り組んでいました。「水のイメージを3色を使って表現しなさい(にじみ・ぼかし・かすれは不可)」とか。デッサンと並行して、頭が比較的柔らかい時期にこうした訓練を毎日続けていたことが、今の自分に繋がっているんです。
そして平面構成の世界では、今回の写真のようなシンメトリーな状況を描くことは、具象、抽象によらずタブーとされていました。理由は一つではないと思われますが、一番大きな理由は簡単で、宗教美術で繰り返し使われてきたために、左右対称のものを描くと拝みたくなる気持ちが優先され、本来目指すべきイメージに近づけないというものです。まあ、その通りですよね。
逆に言えば、そういう状況を敢えて作り出したい時には、ひとまず左右対称にモノを配置すればいいんです。かなり特殊な状況なので、不安を煽るようなシーン、ホラー映画などの構図でも繰り返し使われてきた筈です。
このような桜島を見たのは初めてかもしれません。面白い場所でした。

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