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date 2016.2.4
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ジェネレーションギャップを感じた最後の授業

ジェネレーションギャップを感じた最後の授業

イラストレーションゼミ、今年最後の授業があった。学生の作品を講評し、指導する中で「〇〇は知ってるよね?」と語りかけるが、まるで知らない。年の差はおよそ30歳だから、僕が80歳のおじいさんから講義を受けているような状況だと思えば、諦めがつく。「マガジンハウス」「村上隆」「メビウス」これらを、学生は知らなかった。ついでに言うと「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」も誰一人として観ていない。
同じ世界に生きているという気がしない。デザインを学んでいる同志として見守りたいが、この差は如何ともしがたい。
逆に言えば、彼らの情報源、知っていること、興味のあること。好奇心の矛先。それらを僕はまるで知らないのだろう。
そんな訳で、摂取している文化背景は諦め「純粋な描写力」という、ただ一つの軸が彼らと自分を結びつけているのだと信じることにする。しかし、この「描写」という言葉も実は厄介だ。整理されたデザイン表現の対極にある言葉として使ってしまうから。それらは究極には両立出来るんだけど・・・
来年度からは指導の仕方を変えたいと思う。いいアイデアがあったら教えて欲しい。

Comments: 9 comments

  1. バジル

    こんばんは。
    この写真のアングル、まるで外国の風景のようで、素敵ですね。
    デザインのことはよくわからないのですが、例えば最近亡くなったデビッドボーイも今の若い人はほとんど知らないと思いますけど、色んな意味でつねに革命的な存在でした。
    色々なミュージシャンは彼から何らかの影響を受けて、現代の日本にも継承されているように感じます。そういえば、昨年、サブカルチャーを学ぶテレビ番組があって、とても興味深かったです。
  2. ohtematic

    バジルさん、お返事が遅くなってしまいました。すみません。この場所の景観は鹿児島市が一番力を入れていると思われます。年末年始にはイルミネーションで賑わっていますし、普段も正面に桜島がドーンと見えるんです。たまたま、この場所で打ち合わせがあったので撮影した次第です。若い人たちが無意識的に影響を受けている文化(デビッド・ボウイもそうなのでしょうけれど)を、文脈として伝えるのが私たちの世代の役目だと思いますが、なかなか難しいですね。サブカルチャーの番組は、おそらく宮沢章夫氏のものだと思います。彼もまさに、自分が学生時代に最も影響を受けた演出家です。
  3. バジル

    「ニッポン戦後サブカルチャー史」シーズンⅡでした。
    宮沢章夫氏のトークと授業は、結構ツボにはまりました。
    再放送もですが、シーズンⅢもリクエストしたいです。
  4. >それらを僕はまるで知らないのだろう。/
    同じ時代に青春時代を送ってるわけじゃないので、自分の影響されたものと彼らの周辺にある同じ様なものを結びつけてあげて表現につなげがるように指導したほうがノビシロも育つと思いますが。おっさんたちの言う「近頃の若者は・・」というボヤきほどウザイものはないので。。
  5. ohtematic

    バジルさん、やはりそうでしたか〜。あの番組は、自分が学生の頃に憧れていたクリエイターの方々が沢山登場していました。ものすごく近い距離にいた筈なのに、心理的にものすごく遠かったんだなあと、今更のように突きつけられる回もありました。そういう意味では、なんだか悔しい番組なのでした。
  6. ohtematic

    ptaさんに授業をしてもらった方が早そうですね。身近なところでいうと、自分の子供たちもわけのわからない領域で遊んでいます。きっと未来への準備を淡々としているんだと解釈しています。
  7. 僕には無理ですよ、描けないから(笑) 描ける人がやんないとダメ。職人技術の継承問題とかさんざん付き合わされてきましたが、継承だめにしたのは職人側だったりする側面もあると思うんですよ。 (あくまで僕が経験したことですが)'90年代のデジタル移行期に若い僕らは学びたいことも多かったんだけど職人デザイナーは揃って「デジタルNO!」とか言ってて「Mac?ケっ!」みたいな空気があって、一方ではデジタル万歳みたいな人たちが安易にコトを進めていく側面もあって(このへんが田舎の印刷屋問題)、結局自分たちで何とかするしかなかった。まぁ、僕なんか「ケっ!」って言われ続けて今があると思ってますが、そんなの強いる気もない。世界中、いろんな分野で更新が行われているのでいろいろ参照できることも多いと思いますよ。
  8. あ、「ケっ!」って言い続けることによって生まれる経済もありますから、そっち方向であればそれでもいいのでは。つきぬけないと生き残るのが難しいだろうけど、、。
  9. ohtematic

    ptaさん、お返事が遅れました。自分は、職人肌の人たちが好きで、かろうじてこの世界に留まっています。継承問題っていうのがあったんですか?良くわからないけど・・・僕は若い人たちには技術や考え方を教えられるだけ教えたい。光の方向とかね。ここは、ブログ記事本編でも書いたけれど普遍的な部分ですよね。自分にとっての拠り所は、もうそこしかないです。