ミカクニンテンの意味・2
「ミカクニンテン」
新しいイラストレーター展が始まります。
昨年の夏から準備を進めてきて、昨日(1/30)にようやく搬入を済ませてホッと一息ついたところです。展覧会を開催する意味を別の角度からお伝えします。僕は学生の頃、作品ファイルを持って、イラストレーターの個展会場やアートディレクターの事務所を訪ねて「僕はどうすればいいんですか?」「どうすれば、どうすれば?!」と究極の質問をぶつけまくっていました。イラストレーターになる方法は、今になるといろんな糸口があったと俯瞰できますが、当時は目の前の道が見えずにただただ必死に動いていたような気がします。
そんな中で、雑誌「イラストレーション」でその存在を知り、飛び込んだHBギャラリーには本当にお世話になりました。新人のファイルを預かるシステム(ギャラリー内で自由に閲覧できます)は、僕のように「公募展に弱い作風」でも仕事を紹介してもらう機会を生み、実際に僕にも仕事が来ました。その後、HBギャラリーにて個展を開いたことも3回ほどありますが、その人脈は今でも自分の創作活動の軸となっています。そして、個展を重ねていたほぼ同時期に、オーナーの唐仁原教久さん(鹿児島出身)が、福岡のアートディレクター春高壽人さんとタッグを組み「九州会」というグループを立ち上げ、幸運にも自分がそのメンバーに入れて頂いたのです。最近は活動休止状態ですが、福岡のイムズホールや(先ほど紹介した)HBギャラリーで何度かのグループ展を開催した思い出は、やはり自分史の中では重要な出来事となっています。あの当時、唐仁原さんはお幾つだったのか?・・・迷っている自分に声をかけて頂きました。そして、どれだけの精神的・物理的な負担を当時、自分から見た大人たちがしていたのか、今から考えると途方もないことなんです。
そして時が流れ、そんな自分も50歳になった。今、若手に対して何が出来るのか?という率直な疑問が浮かび上がってきたという訳です。時代も環境も変わり、若者の質も変わってきましたが、展覧会の持つ意味や、実際に人と会って会話を交わす意味は、ネット全盛の今だからこそ、昔よりも重要になってきたのではないかと感じているところです。
「ミカクニンテン」
カワサキシュン 園田美希子 ひだかみね YUTAKA.H
展覧会日時:2017年1月31日(火)〜2月5日(日) 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
オープニングパーティー:1月31日(火)18:00より どなたでもお気軽にご参加・ご鑑賞ください。
場所:レトロフト Museo 〒892-0821 鹿児島市名山町2-1 レトロフト千歳ビル2F