2018年の出来事(3)~Steve*MusicのSwitch of LIFE
霧島アートの森で行われた個展「Ohtematic2018」。その最終日の前夜に、アートの森にほど近いキャンプ場で、打ち上げが行われました(最終日は搬出作業があるので慌ただしい)。その会場に、東京から彗星のごとく現れた太田伸志さん。栗野駅からタクシーで駆けつけてくれたんです。この時、自身の新しい会社であるSteve*Inc(スティーブ・アスタリスク)を立ち上げたばかりで、かなり多忙な時期だったと思います。
打ち上げの流れで話が盛り上がり、最終日の橋本泰久氏(アメタ食堂)とのトークショーも、急遽、司会進行役を務めていただくことになったんです。彼の、透明感があるのに、どこか物凄く濃い独特のムードに、随分と助けられました。今更ながら、快く引き受けてくださったことに感謝、感謝です。
その太田さんが10月に、Steve*の音楽部門、Steve*Musicを立ち上げ、no.9というアーティストの新作「Switch of LIFE」をリリースしました。発売後すぐにオンラインで購入。ずっしりと重い作品(画像)が届きました。
そしてこの音楽作品には、CDは入っていませんが、CDを入れる「くぼみ」はしっかりと彫られています。ダウンロードコードが記されているだけ・・・つまり、CDという形態をお望みであれば、ダウンロードしたファイルを自由に焼いてジャケット内に収めて欲しい。iTunesなど、配信で楽しむ世代には、質量を伴わない形態で楽しんで欲しい。その二つの意味が込められた仕様になっているということなんですね。ダウンロードされたフォルダには、しっかりiTunes用のジャケット・アートワーク画像も入っていました。
LP、CD、配信などなど〜目まぐるしく変わっていく音楽鑑賞の形態。僕たちの世代は、中学校〜高校あたりの美術の授業で、必ずと言っていいほど「レコードジャケットのデザイン」という課題がありました。そんな訳で配信全盛の現在でも、パッケージメディアに対する拘りに、ちょっと寄っている。しかし太田さんの世代は、パッケージメディアとしての音楽と、情報としての音楽、その狭間で両者の魅力を最も的確に表現できると思うんです。その現時点での答えが、必要以上の?重量をまとった、物質としてジャケットだったのではないでしょうか。是非、この重さは手にとって欲しいなあ。
太田伸志
2019/10/31 15:03