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date 2006.11.27
category garden
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キリンジ TOUR 2006


キャパルボホールにてキリンジのライブを観てきました。メジャー盤デビューアルバム「ペイパードライヴァーズミュージック」の頃から聴き続けています。これまでのアルバムでは兄弟それぞれのソロ作も含め、期待を裏切られたことはありません。僕にとっては、兄・堀込高樹氏の作曲センスがとにかく嬉しい。最も僕が影響を受けた70年代から80年代前半にかけてのAOR文化をベースにしている(と思われる)ため、その時代の音楽的良心の幻影を確認することが出来るんですね。最新アルバム「DODECAGON」ではエレクトロニカ調のギミックも盛り込まれているものの、最新の感覚というよりは、むしろレトロな印象が強い。「ロープウェイから今日は」はハイキングを題材にした素敵な曲ですが、こうしたセンスは細野晴臣の「フィルハーモニー」(1982年)を連想させるし、シングル「ロマンチック街道」もクラフトワークの「ヨーロッパ超特急」(1974年)っぽい。しかし曲自体のセンスが前述したAOR路線なので、自分の頭の中で音楽史を再確認させられる訳です。勿論(そうした中で作られた)キリンジのオリジナリティには格別のものがあり、日本の音楽シーンではかなり特殊な存在である事は間違いありません。弟・泰行氏のヴォーカルも以前にも増して透明感が高まっており、緩急をつけたステージに会場はうっとりした空気に包まれていました。今回演奏された20曲中11曲が「DODECAGON」からでしたが、個人的に嬉しかったのはスティーリー・ダン色全開の「ダンボールの宮殿」と名曲「イカロスの末裔」でした。キャパルボホール、適度な空間でキリンジが身近に感じられて良かった!

Comments: 2 comments

  1. s_brezel

    はじめまして、ボクもキャパルボ行きました。
    泰行氏のヴォーカル、正直前回のツアーまではぎこちなさを否めない感があったんですが、今回は抜群の安定感でしたね。
    ボクも高樹氏のソングライティングにはやられっぱなしで、両氏のソロアルバムは「Home Ground」を聴く率が圧倒的に高いです。
    …ただ、ひとつ残念だったのは"歌う高樹氏"が観れなかった事(いつか"クレゾールの魔法"をライブで!!そんなふうに思ってます)
    「ダンボールの宮殿」と「イカロスの末裔」はボクも大好きな曲なんですが、今回はキーボードソロが圧巻!!でした。
  2. s_brezelさん→
    「クレゾール・・・」はライヴDVDに収録されていると思います。僕はまだ観ていませんが。
    高樹氏は歌詞もイイですよね。理解しにくいものもかなりあります。冨田ラボの「シップラウンチング」1曲目、「プラシーボ・セシボン」は彼の詩によるものですが、スティーリー・ダンmeetsYMOという感じで、これまた不思議な世界に引き込まれてしまいました。