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date 2007.2.8
category garden
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松林でランチ


吹上砂丘荘にて、お昼ご飯を食べてきました。現在、これまで使用されていた一階の食堂が、リニューアル工事に伴い閉鎖中なのです、そのため、普段は入ることの出来ない二階の広いホールが食堂として使われています。この部屋、北側の窓からの景色がご覧の通り、一面の松林。日本三大砂丘に数えられる吹上浜の防風林ですね。ちょっと曇っていましたが、遠くの方に東シナ海と、串木野方面の山並みを確認することが出来ました。吹上に住んで随分と時間が経ちましたが、びっくりする光景です。出来ればこのまま二階で営業を続けていただきたい・・・と思った次第。大海老の天ぷら二本と、アスパラの天ぷらが乗ったどんぶり、貝汁、サラダバー・デザート・ドリンクバーがついて800円!かなりの満足度でした。この景色、おそらく3月いっぱいまでしか見られません。
ところで、吹上町にある公共施設は、立地条件は素晴らしいのに、景色を見せるという発想がほとんどゼロに近いんです。むしろ、台風と闘おうとしているために、海側を塞ぐ傾向があります。川に面した「山の郷」という施設も、建物の中に入ると、川も山も隠れてしまう。これはどうしたものか。公共工事を請け負う業者の使命は、地元を一時的に潤おす事でなく、観光客が「また来たい」と思える場所を創造すること。観光というのは、「景色を見ること」に他ならないのですから。

Comments: 15 comments

  1. ご利用ありがとうございました。いつもながら鋭い着眼点、勉強になります。確かに吹上町に限らず、他の市町村もロケーションを考えた設計の公共施設は少ないと思います。景色の良いことも、ある意味ひとつのサービスですし、料理の美味しさを引き立てるポイントにもなると思います。大寺さんの意見も参考に、将来的にこの部屋で美味しいコーヒーやカクテルを楽しめる場所にできたら、楽しいなと考える今日この頃です。先日のスタバ導入案も大賛成です。
  2. すごく面白い風景ですね。。
    はじめ見た時CGかミニチュアかと思いました^^;
    この景色は是非見てみたいと思います。
  3. anonymousさん→
    安いというだけで、公共工事を発注してしまうという行政の在り方に問題がありますよね。将来的に市民に愛されるセンスのイイ建物が出来れば、少々高くても納得出来る筈なんです。
    ここは、いろんな人に紹介して、集いたい場所ですので、是非、深夜まで営業しているカフェをお願いいたします!
    つくさん→
    かなりシュールな光景なんです。映画のオープニングやラストでもオーケイです。是非、取材にいらしてください!
  4. 松がすごいですね。こんな景色を眺めながら食事をしたら気持ちいいでしょうね。
    公共事業の担当が私腹を肥やすために、また業者間で仕事を回すために不正が行われた結果やりにくい状態になっています。業者間で技術の差や意気込みが違うのですが、今からのシステムではそれを繁栄することができません。
    そんな意気込みを肌で感じるほど発注側も考えていないかも。公共事業は、やはり単価が高いので普通よりもよくできるはずなんですが。
  5. パスキア

    松林で・・・
    というタイトルにエロを感じたは自分だけでしょうか。
    すみません。余談です。
    写真を見てすぐにある写真集とリンクしました。
    スモールプラネットby本城直季
    まさにジャパニーズランドスケープ!!
  6. アグリさん→
    今からのシステムではそれを繁栄することが出来ない?とはどういう事でしょうか。いずれにしても、箱モノ行政と言われないために、建築〜景観という流れ、都市計画全体を考えられる、センスのイイ方に発注出来る方法を模索してもらいたいですよね。国家試験をパス!と言っても、センスの物差しにはなりませんし、難しいところです。市民にセンスがあるかと言うと、ないと思いますし・・・。
    バスキアさん→
    ズバリ、バスキアさんは松林に関して秘密の想い出アリ!ですね〜。さすが、サーファーは違いますね。本城さんに撮らせたら、かなり面白くなる光景ですよね。是非また鹿児島に呼んで下さい!
  7. masanori

    公共事業の単価が高いか安いかは分かりませんが、センスの良し悪しに関しては現状として選ぶことができないようです。本来であれば、設計士の選択時にデザイン等のコンペを開くべきなのでしょうが、面白いことに設計料の価格だけで指名をするようです。その後に図が出来上がってきますので、設計士によっては得手、不得手があるようでセンスの良さを求めるところまで、行き着かないようです。先日、大寺さんもおっしゃってた、若くやる気のある、そしてセンスのある人が加われるような行政のシステムを作るべきかなと思います。これからは町の中にあるガードレール、ゴミ箱ひとつをとっても、違和感の無いセンスの良いデザインで造っていけるような街づくりが必要ですね。
  8. >今からのシステムではそれを繁栄することが出来ない
    説明不足でした。masanori様ありがとうございます。
    仕様書をもに価格の競争になります。企業の良心が無ければ安いなりのものしかできません。もっといい案があっても価格が第一になります。
    土木担当者と建築業者の癒着を防止するために、県庁や合同庁舎などには入り口が自動改札機のようなドアが付いています。
    鹿屋市などは、入札は電子入札や郵送のみで受け付けるそうです。これも担当者と業者の顔見知りを避ける為だそうです。
  9. masanoriさん→
    設計料の価格だけで指名されるというのは、一般的には考えられませんよね。なるべく安い素材を使って利益率を上げる結果になると思うんです、目立つところだけ豪華な素材を使って誤魔化したり。全ての業者さんがそんな事をするとは思いたくありませんが・・・。公務員の方は、自分の家を建てる時の緊張感を、公の施設にも持ち込んで欲しいです。
    アグリさん→
    結局は、価格なんですね。「安かろう悪かろう」の構図が日本中に蔓延している、これでは美しい国になれる訳がありません。昔の庁舎などは、それなりに威厳があったと思います、旧吹上町役場も建築としてはかなり好きです。が、最近の施設は殆ど駄目ですね。
  10. 図面での設計と現場監理が異なる事務所に分離されたり、コスト削減のために設計のパートを省いて施工サイドに一括発注されたりと、設計者の側が行政に信頼・期待されていない部分があり反省すべき点も多々あるように思います。また、たとえコンペが開かれたとしても選ぶ側が思想とセンスを持ち合わせていなければ、結局コンペというのは形だけで当たり障りのないこれまでの範疇におさまる案が選ばれるということになりがちです。マティックさんのような方が企画や審査に加わるような仕組みができれば変わってくるのでしょうが。そのほかの悪習についてもわれわれ若い世代が”くだらない”といって引き継いでいかなければ少しずつ変わっていくと思っています。
  11. >公務員の方は、自分の家を建てる時の緊張感を、公の施設にも持ち込んで欲しいです。
    不正が起こらないようにするための入札方法などを書きましたが,すごく子供じみていておかしいことに気が付きました。いい家や建物を建てることが仕事なのに,悪いことしないように規則にがんじがらめ。良心が全くない世界です。建物を使用する人や笑顔が想像出来ないのでしょうね。
    そんな人が作った建物に愛を感じることが出来るのでしょうか。
    03R様
    みんなが楽しくなるような建物が増えるといいですね。
  12. 03Rさん→
    グーグルが「インターネットはどうしたがっているか」という、人格のないものを神に例えて経営の基軸を決めた様に、例えば、桜島はどうしたがっているか、吹上浜はどうしたがっているか?という事を考えてみてはどうでしょうか。自ずと答えが出てくるように思います。当たり障りのない建築、これが一番危険なんですよね。本当にイイものばかり作れるのであれば、癒着しているチームでも尊敬されると思うんです。
    アグリさん→
    「不正が行われないための入札方法」本当におかしな話ですよね。そこには、どんな街にしたいかというビジョンはないんですね。
    公務員の方々には是非、黒澤明の「生きる」を見て欲しいです。
  13. なるほどですね。香山寿夫という方のルイス・カーンの思想をベースとした講義録に”建築家は空間がどちらに向かってどのように広がりたいかを正しく把握することが必要である。”、”まず、個々の部屋がどうなりたがっているかを考えそれを一つにするために呼び集める。”と言うようなことが書かれています。そのような考えがあれば、景観に対して閉じられることはなく、桜島や吹上浜と良い関係を築いた建物になれたと思います。まずはこれから建てようとしているものに人格を当てはめることからはじめても良いのかもしれません。
  14. masanori

    マティックさん。
    黒澤明の「生きる」、確かにこの作品を観ればストレートに分かりますよね。自分を省みること、仕事に対してどう取り組むか、よく分かります。
    でも、砂丘荘からこんなに話がつながり嬉しいですね。
  15. 03Rさん→
    ”建築家は空間がどちらに向かってどのように広がりたいかを正しく把握することが必要である。”イイですね。まさにこんな感じです。建築に限らず、いろんな事に当てはまりそうですね。
    自己主張し過ぎず「風の歌を聴け」という事でしょうか。
    masanoriさん→
    「生きる」は日本版「タクシー・ドライバー」だと思っています。1人の男が、終わり無き日常から、自らの企画で脱却していくという意味で共通項が多いです。この日記、コメントの数としては最多記録かも知れません。