検証 地方がヘンだ!
2ヶ月ほど前に買い、一気に読んでしまった。地方に住む者としては興味深い一冊。最近、増えている地方での凶悪事件の幾つかを、地図をベースに検証している。事件の起きる背景には、必ずと言っていいほど、大型電気店やショッピングモールなどが存在する。著者は、そうした大型店舗の存在が生活スタイルの幅を無くし、人生そのものの選択肢を少なくする原因と見ている。結果として夢がなくなり、犯罪が起きるのである。「日本列島改造論」から30年、日本は何を失ってきたのか、興味深い記事が続く。ファスト風土・・というのはまったくもって上手いコピーだと思う。
鹿児島に移り住んで6年目に入ったが、東京で生活している頃と、食生活を初めとして考え方が変わった。もし、大型ショッピングモールがある様な地方都市で暮らしていれば、違う意味で淋しい思いをしたであろう。
もし、これから田舎暮らしを始めるのなら、不便を承知で本当の田舎を選ぶべきである。
いつも思うのは、何かを選択する時に、自分の意志がきちんと働いているのか、ということ。知らず知らず、「考えなくても暮らせる社会」の一員になってしまわない様に。
トーマス
2005/06/03 22:16
真っ先に思い出したのが、
島田雅彦がいう所の、「郊外」
「ショートケーキハウス」、という言葉です。
上京してきて、そこで家族を持ち、「郊外」に
新しい街が形成される。そこ(郊外)は、
養老猛のいう所の、『人間の頭の中の世界』
(人間が作ったものばっかり!)で、そこで
育った子供に絵を描かせると、写実的な絵にならず、
記号的な絵になるといいます。
犯罪の質が貧困を背景にしたものから、
愉快犯的なものに変わりましたね。
養老先生は一日一回は、人間が作ったものではないもの
を観るといいとおっしゃていました。
マティック
2005/06/04 04:53