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date 2008.8.29
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本を見せびらかす


「見せびらかす」という表現はどうかと思うのですが、今回は敢えて。専門学校で僕のイラストの授業に参加している学生6名が、タイムトンネルにやってきました。この空間で、日頃教室では伝えることの出来ない「何か」を感じ取ってくれたらそれで正解なんですが、話の中で解ったのは、どうやら彼らにはあまり「本を買う」というクセがない様なんです。僕は駆け出しの頃「イラストレーション」という雑誌をひたすら買い(といっても隔月刊)、或いはマックを触り始めた頃から今でもマック関連の雑誌を買い続けています。勿論、隅から隅まで目を通すわけもなく、解らない記事は飛ばしたり、自分の感覚に合わない記事には嫌悪感を覚えたりします。そして、画集や写真集といったもの・・・これはすぐに役立つ訳ではありませんが、何となく、その作家の持っている「気」を感じるものですね。模写をするような意味で参考になる場合も、勿論あります。学生の彼らは、こうした雑誌や画集に「立ち読みする程度」と答えていました。「立ち読み」をする事と「買う」事の間には大きな開きがあると思うんです。買わないと解らない事がある。買った責任、そして、自分の本棚にそれらが並ぶという状況が自分を造り出していくのではないでしょうか。先日、ある先輩デザイナーのお宅を訪問した際、膨大な資料がデスクの後ろに並んでいました。素直に、尊敬出来ました。風水ではないけれど、画集が並んでいる本棚からは「気」が出るんですよ!間違いありません。

Comments: 9 comments

  1. ミロカエ

    こんにちは。
    確かに「気」が出てますよねー。
    引っ越すたびに、荷物は増やさない、本買わない。
    と思いますが、やはり買ってしまいます。
  2. バントライン

    「気」ですか。それはやはり受けてもある程度の下地が無いと
    感じられないものだと思います。普段からアンテナ張っていない人や関心が薄い人は、どんなにすばらしい芸術作品を見ても「気」は感じられないでしょうね。(残念ですが…)
    だから「さすが!これに目がいくとは!」とか「これに反応するとはオヌシやるな!」っていう人は芸術家でなくても何かしらの特技を持っている人が多いですね。
    ところで小学校の裏にオーテマハウスはあるのですね。良い場所ですねぇ。でもなんでそちらを選んだんでしょうか?ローケーションですか?もともと空家があったのですか?(伊集院や伊作でなく永吉ってのが気になったもので…)
  3. ミロカエさん→
    いや、大切なことですよね、ホント!引越の時に・・特に本は重いので大変ですが、多い方が幸せです。かえさんの本棚は見たことがありませんが、きっと楽しいだろうなあと思います。
    バンドラインさん→
    学生たちはイラストレーターやデザイナーの卵ですから、まあ、下地はある訳です。プロになるためのイメージトレーニングといいますか、そういう本棚を見ながら絵を描いていれば、日常が違ってくると思うんです。おっしゃる通り、アンテナの張り方ですよね。巷に溢れている情報の奥の奥に素晴らしいモノがあったりしますから・・・。
    永吉を選んだ理由・・・?これは、話すと随分と長くなりますが、僕は土地探しをしたわけではなく、世代を超えた里帰りをしたんです。詳しくは、またメールしますね。
  4. おおっやっぱり
    完備してましたね、TIKI関連。
    特に上の2冊は本屋で見かけるたびに『買ってるかな〜?』なんて思ってました。
    最近ワゴンセールで買ったカル・ジェイダーのsou burstはともても
    好みの内容でした。(ちょうどマシェリのCMみたいのを探してた。)
    よく見る本は自分は枕元に置いてます。(寝る前に寝転んで見るので)
    おかげで本の山脈が…
    デザインの事だけを考えながら眠るって最高!
    本の事ですが…
    地方だと情報源(又は宝箱)として機能する書店がほぼないので、
    都内生活または都内勤務の経験がない人は
    そのことすら知らないと思います。
    買いたい本なんて雑誌くらいしか地方だと手に入らないんです。
  5. siba氏→
    静岡の本やさん、現在もそんな状況でしょうか。鹿児島は、駅ビルに紀伊國屋書店が入っていたり、ジュンク堂があったりと、恵まれています。勿論オーテマハウスからは遠いですけどね。CDと同様、リアル店舗で探る感覚は無くなっていくのかも知れませんね。
    tiki関連は、一冊は福岡で偶然発見、もう一冊はAmazonでした。どちらも超オススメ、で〜す!
    枕元に置いておくのは、イイですよね。夢に出てきたりするので。
  6. バントライン

    しかし本棚を見ればその人の性格が分かるとはいいますが、
    最近の学生さんって本を買わないみたいですね。お金が無い
    のは今に始まったわけではないと思うので単にお金の掛け所が
    違うんでしょうか?
    「世代を超えた里帰り」ですか…すごい気になります。
    メール楽しみにしています。
  7. バンドラインさん→
    ニワトリが先か、タマゴが先か、ではないのですが、本を買うことによって、感性が膨らんで仕事に繋がる(収入が得られる)と思っています。お金がないから本を買わないというのは、おかしな話ですよね。
  8. いわゆる僕らもカタログ世代なのかも?
    カタログ系大好きですから、
    もしくは物質的な世代なのですかね?
    若い世代は物質文明からの脱却する先駆けの人間なのかも?
    写真や印刷物からでも十分に作者からのいろんなモノを
    感じ採(獲)れると思います。気合い&想像で
    実は月1ぐらいで都内に買い出しに行きます。
    1回の金額はそんなに多くはありませんが、
    やっぱり手に取って中身を見て判断したい。
  9. しば氏→
    そうですね。雑誌の情報が一番早かったし、マガジンハウス(平凡出版)の恩恵も一番受けた世代ですから、仕方がないかも。今の若い人達は、車にも興味がないというし、地球に優しい世代なんでしょうね。物質を否定するとなると、精神性での闘いになる訳ですが、そうなってくると(目に見える)デザインや芸術の意味は薄れていきますよね。そういう時代が終焉してしまう事に、自然と危機感を抱いているのか・・・。
    それにしても月に一度都内へ買い出しに行けるって、羨ましい環境ですね!