クロニクルを回想する
2006年にタカプラで行われたグループ展「クロニクル展」。5人で戦後60年を12年ずつ担当し、その年に起こった最も印象的な出来事をイラストで表現した。僕はたまたま1986年のチェルノブイリ事故を描く事に。当時は「余計な事をしてくれたな」と、当時のソ連を冷ややかな目で見つめる雰囲気があった。勿論僕もその一人だった。今、日本もそういう風に見られているんでしょうね。ただ・・・これは楽観論かも知れないけれど、あの時よりも、地球上のみんなが協力しあっているムードがある様な気がします。だからと言って油断は禁物ですが。
以下は、展覧会時の記事をそのまま転載したものです。やはり80年代後半から「世界は狂った」んですね。
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1986年 ソ連・チェルノブイリ原発事故発生
原子力発電所の悲惨な事故。目に見えないエネルギーであるが故に、粗末に扱ってしまったのではないかと思う。放射線がせめて血の色をしていれば、取り扱いに注意を払ったのではないか、そんな思いで描いた。この事故で大量の周辺住民が死亡したと伝えられているが、正確な数は公表されていない。周辺住民は高濃度の放射線汚染により居住が不可能になり、約10万人が移住を余儀なくされた。人類はますますエネルギーを必要としている。果てしない欲望のつけを、原子力に頼っているのが現状だ。
(追記)
展覧会の会場は、間仕切りが一切なく、60枚の作品を一度に体感できる空間になっていました。時代の流れを意識してもらおうと、カラーテレビが登場する以前の作品はモノクロで統一。そういった意識的な演出とは別に、会場をぐるっと見回すと、80年代の後半から世界が狂い始めた事が実感出来たんです。
しば
2011/04/13 22:05
なんか変に思ってたんだァ、しかしこのポッドキャストでその違和感を解消するアダプターに出会うなんて!
ohtematic
2011/04/14 04:10
先ほど聴きました。深いオープニングでしたね。この後、日本が徐々に変わっていって、デジタルネイティブの世代が6〜70代になる頃、何かが起こるかも知れませんね。311以降、変わって欲しいと思いますが保守勢力の強さに呆然としています。
オープニングでも触れられていましたが、エリート層〜公務員〜既得権益層が、リスクテイカーになる事が必須条件ですね。