いよいよ最終日「西田橋の拓本と美術家たち」2013展
本日、あいにくの天候ですが最終日となりました〜!まだご覧になっていらっしゃらない方、この機会をお見逃しなく・・・!!!
正面に飾られた「のぼり旗」13本は、この会が発足した当時のメンバーの数だそうです。
かごしま県民交流センターにて、本日19時まで。
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未来への提言
鹿児島は他所にはない独特の自然環境のなかにあります。
先人達はこの自然に敬意を払い、深く学んで理解し、様々な条件のなかで営々と生活を築きあげてきました。その先人たちの知恵と汗血の結晶が「西田橋」をはじめとする県内に数多く存在した歴史遺産なのです。これらは自然のもつ強大な力を恩恵に変えることができた証でした。人々が行き交うだけではなく治水・和水に大切な役割を果たして、150年もの間この地の安全と繁栄を支え続けました。
石橋造りの総指揮をした「岩永三五郎」は「石橋を守るためには上流に木を植えて森をつくりなさい」と言遺しました。
しかしその後の都市造りは経済優先の論理のなかで、資本と技術を過信した自然の法則を無視したものでした。
私たちも利便性だけに傾き、先人の残した教訓を思い起こすことをしませんでした。
みなさんは現在の甲突川周辺の景色に納得されていますか?コンクリートと鉄で固めた呼吸をしない護岸こそ災害の元凶だったのではないでしょうか。私たちは訴えます。「先人たちの遺したこれらの遺産を最も価値と意味ある形で守ることこそ、私たちの安全をも保証する人類の叡智といえるものではないでしょうか」
歴史遺産の破壊は郷土の歴史と誇りを失うことです。
そして今なお大切な歴史遺産が破壊の危機にさらされています。
はたしてこのような地域に希望に満ちた未来があるのでしょうか。
私たちは次の3項目にわたる提案をして未来へのメッセージとしたいと思います。
1、災害を記憶する「西田橋の拓本」を20世紀の県民が創りあげた美術財産として、行政による保存継承を求めます。
2、県民の合意を形成しながら「西田橋」をはじめとする歴史遺産を元の位置に復元すること。その為にこそ必要財源を使い、人材を育成する施策を講じること。
3、今なお現地に残る歴史遺産にこれ以上手を触れるべきではありません。今の私たちはより優れた判断のできる次の世代の出現まで守ることに徹するべきではないでしょうか。
なぜなら県民と行政がこのような理念と価値観を共有できたときこそ、鹿児島に真の誇りが育ち、豊かさと安全を獲得して世界の注目を集める”鍵”をあけることになると信じるからです。
2013年6月 西田橋を拓本でのこす会
西田橋拓本公開実行委員会














