最後の目撃者(後編)
バスの魅力は、その視線の高さにある。言うまでもなく普通乗用車の視線は、徒歩におけるそれよりも低い。まさに絶望。しかし、バスから景色を見下ろせば、普段見慣れた場所が様変わりして見える。今回の乗車では、稲穂が実り、その一粒一粒が黄金色に輝いている様がパノラマとして認識出来た。自分の住んでいる場所を俯瞰する事は、とても大切だと思う。置かれた状況を客観視する機会が多ければ多いほど、日常が「観光化」して楽しくなるというものだ。バスに乗車したら、なるべく高い椅子に座ること。どうせ空いているんだから。今回乗車したバスは、1人がけの椅子が34席あった。そのうち、タイヤハウスの上にある椅子10席(うち窓側は6席)は、構造上高い視線が得られる。是非、この6席を選んで座って頂きたい。きっと気分が変わるハズ。
バス人気をこれから高めていく上で必要なのは、地元住民に、いかに観光気分を味わってもらえるかにかかっているのではないか。自家用車との決定的な差別化である。例えば、オープンカー風のバス(東京都では走っていますね)もいいだろう。そして、いわゆる路線バスではなく、宅配便の車の様にデジタル管理して、乗りたい人の場所と時間を把握、必要最小限のコースを随時設定して走れる様なインテリジェント型のバスも簡単に実現出来る筈である。
今回乗車したバスからの景色、その最後の目撃者が僕というのは、あまりにも寂しくないか。
mimiうさぎ
2006/09/01 21:41
路線バスツアー、似合うようで似合わないところがなんともいいね!
マティック
2006/09/06 02:07
都会はますます便利になり、地方は見捨てられている事を実感しています。勿論、そういう地域でしか得られない特権もある訳ですが。
これまでの路線バスくらいは残しておきたいですよね。とにかく、若い人が足りないんです。