ホンモノについて
友人から電話があり、長話になった。流れから「最近、ホンモノが手に入りにくい」という話を持ち出した。僕が気にしているのは、例えば「100円均一ショップ」で手に入るモノ、スーパーで流れているような破滅的な音楽、少なくとも嫌われない(最終的に愛されない)デザインの車や住宅。こんなものに取り囲まれている社会は、結局のところ、ウソの世界だと。昨日の話とも繋がってくるが、モノと人の関係が生きる基軸に寄り添わない。100円の絵筆で描かれた絵と、10万円の絵筆で描かれたものは、どこが違うのだろうか。その人の月収が20万円だとすれば、その半分を使って筆を買う事自体がクレイジーなのかも知れない。しかし、そのクレイジーさから、イイ作品が生まれたりする。モノに心意気が乗り移って、相乗効果を生む。イイ物を使えば、そうした可能性が増す、と言ってもいいだろう。100円のものは、100円なりの使われ方しかしない場合が多い。実際、すぐ壊れるし。高いからイイ物、というのは短絡的過ぎるが、安いものが出回りすぎた結果、ホンモノが手に入りにくい世界に住むことになってしまった。その友人は、「なるべく高いもの」という僕の意見に対して「なるべく手作り」の考えを持ち出してきた。おお・・・これは落とし穴であった。手で作ったモノには勝てない。絵の具(岩を砕いて!)、筆(獣からはぎ取って!)、紙(樹木を煮詰めて!)・・・全て自分で作ったら、一番イイ作品が出来ますね、きっと。
ひゃくとう
2006/08/17 18:24
以下は読ませて頂きながらの感想文、
気付かぬうちに、フェイクがホンモノに取って代わってしまっているのではないかと・・・少し前までは頑固なホンモノ志向が(デザインセンスはさて置いて)語られる事が多かった気がします。
必要最小限のオプションまで絞り込んでダイエットしたホンモノ、を手に入れる事が理想の買い物だと思っています。
03R
2006/08/17 22:26
商品として売られているということは、何の違和感も感じずに買っていくお客さんがたくさんいるんでしょう・・・
もはやなんでもありなんだな、と悲しくなってしまいました。
マティック
2006/08/17 23:57
首が痛くなるまで頷いて頂き・・・恐縮です。フェイクを良しとする、中国のコピー文化は絶対に避けなくては行けませんね。巡り巡って、損をするのは自分なのですから。「必要最小限のオプションまで絞り込んでダイエットしたホンモノ」・・・これは、今回のタイムトンネルに通じている美学ですね。
03Rさん→
腐葉土はガーデニングショップなどでも売られていますよね、カブトムシの布団・・・とは面白い言い方ですね。普通に自然界に存在するものが商品になるというのは、昔からあったんだと思いますが、今は究極の状態ですよね。