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date 2007.1.29
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ハイブリッド・スタイルとは何か


以前このコーナーで紹介した高城剛氏の書籍になぞらえたカタチで、MAC POWERの最新号で「ハイブリッド」をキーワードに特集が組まれている。リニューアルをしてから、パソコン雑誌としての機能はほとんどなく、クリエイターのための読み物中心・・・しかもかなり濃い内容になったMAC POWER。ちょっと鼻につく記事もあるが、敵を知ることも大切(向こうはアウトオブ眼中でしょうけど・・・古〜)という事で購読してはや10年以上。ハイブリッド、一体何のことであろうか。「クリエイティブなライフスタイルのための、新しいアティチュード」とあるが・・・一体?。僕が考えるハイブリッドとは、農耕民族型の生活に立ち戻るというイメージ。言葉を置き換えるなら「仕事を家庭に持ち込む」「家庭を仕事に持ち込む」という事だ。近代社会が確立されてから、就労エリアと生活エリアが分かれてしまった。ほとんどの社会問題はこの現象から発生している。僕は自営業者、しかも在宅勤務なのでずっと家に居ることが可能だ。これは、新しい生活スタイルである様だが、実は日本人のオールドスタイル。昔はみんな農民で、在宅勤務だったでしょう。家にいると「オン」と「オフ」の感覚がない。だから仕事の合間に家事や子育てが出来る。合間という感覚すらない。会社に勤めてしまうと、オンオフを切り替えざるを得ないが、そもそも日本人にオンとオフの切り替え遺伝子はない。有給休暇もロクに使えない訳だし。自分が所属する「家庭」と「会社」どちらかが100、どちらかがゼロという生活状態は、そんな訳でストレスを生む。しかし、例えば子供を背負って田植えをしているのは、「会社」100「家庭」100の状態で、安心出来る。足して200じゃなくても、70-70で140くらいか・・・100-0よりはマシだ。経済効率ではなく、社会的な豊かさとして(子供は両親と離れて暮らすべきではないから)は効率がいいし、教育にもいい。どうしても会社に勤めたい人が減らないのなら、子連れ狼スタイル大歓迎の職場をどんどん造るべき。育児休暇とか、託児室とか、そんな事じゃなくて。僕は若い人に仕事の相談をされると、「まず会社を辞めて」と言う。不可能な場合は「給料は減ってもいいから、在宅勤務を週の半分入れてもらえば?」と勧めている。通信環境がしっかりあれば可能な筈。若い人の勤労意欲が低下していると伝えられているが、会社のあり方が現代に沿わなくなってきているだけではないか。近代化によって、分離、細分化されて複雑になった仕組みを自分の手に取り戻す、これがハイブリッドスタイルの極地。農家をモデルとすれば大体うまく行くと思います、お手本は過去の日本、晴耕雨読って、切り替えの話ではなくて、常にオンという状態を表していると思う。

Comments: 3 comments

  1. 大変興味深く読ませて頂きました。実践しているものとしては分かりやすい表現で、「常にオン」でいられるのは「仕事と家庭を同時進行」するからでですね、確かに。会社を辞めて一ヶ月くらいは日中ドキドキしてましたが、今となってはもう戻れないくらい自由に24時間フルに使い倒している感じです。
    あらゆることに対して「それはムリ、出来ない」と思うことをまず止めれば、近づいてくるライフスタイルは実に多種多様。自分でつかまえないと人生はどんどん流れていってしまいますからね。
    すいません、長くなってしまいました。
  2. はなさん→
    常時オン!ですよ。退職後、自分のすべき事が解らなくなるという話を良く聞きますが、人間である前に会社人となってしまった結果だと思うんです。オンオフが当たり前になると、怖い。
    本編で書き忘れたのですが、こちらに越してから「農士」という言葉を聞きました。つまり、このあたりに住んでいたご先祖様達は、普段は農民でいざとなったらサムライしてたんです。これぞハイブリッド!家族が一緒にいると、自然と父、母、子供の役割が決まる。日中、別々に暮らすから同権とかジェンダーフリーの問題も出てくると思うんです。現代は、仕組み自体がややこしくなった結果、妙なスパイラルに突入していますね。
  3. 「農士」ですか!ある意味理想的なありようですね(変かな)。
    イザという時にオンオフではなく他のスイッチに切り替えられるかどうか。自分にたくさんのスイッチが欲しいですね。
    スイッチが一つだとある日突然終わっちゃいますもんね。