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date 2008.5.29
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ウィンドウ・ショッピング〜映画とポストモダン


「ウィンドウ・ショッピング〜映画とポストモダン」実に興味深いタイトルのこの本、鹿児島大学法文学部准教授の井原慶一郎さんが翻訳したもので、最近出版されたばかり。井原さんとは展覧会場で知り合い、何度かお話をさせていただいた事があるのですが、今回、この出版に関した展覧会を開きたい・・・という事で僕が参加することになった。表紙だけみても解りづらいのですが、ページをめくってみると意外に図版も多く、H.G.ウェルズのタイムマシンやアンディ・ウォーホールの作品などが並んでいる。井原教授はこの翻訳作業〜展覧会開催という思考の中で、僕をイメージしてくれたらしい。消費行動がどのように変化してきたのかを建築や美術などを通して研究していく本書ですが、文脈から判断すると(パサージュ+デパート=遊歩)は天文館、(ショッピングモール=仮想の遊歩)はイオンやオプシアなどの施設が該当するという。最近、特に激しい鹿児島の街の移り変わり、アメリカの例を辿っている訳ですね。
このような研究書と僕のイラストが交錯するとどのようになるのか、まだ未知数です。幾つかイメージ出来るシーンがある事は確かですが。一旦自分を透明化して、仕事やオリジナル作品とはちょっと離れた世界観を提示出来ればいいと思います。大学教授とイラストレーターのコラボレーションって、鹿児島ならではの展開なのではないでしょうか。
展覧会は7月30日から8月11日を予定しております。場所は「サツマティック展」の記憶が新しいRAIRAIです!

Comments: 2 comments

  1. ご紹介ありがとうございます。
    原著は1993年にアメリカで出版されたものですが、モダニティ(アーケード+デパート+映画館)からポストモダニティ(ショッピングモール+シネコン)への移行について論じていて、まさに今の鹿児島の状況について教えてくれます。本書を訳している最中に天文館から映画館が消え、鹿児島初のショッピングモールがオープンするなど、不思議な因縁を感じました。また、本書の議論が実際に目の前で展開されたことで、抽象化された理論のもつ力が証明されました。
    店頭での販売は、6月中旬を予定しています。
  2. iharaさん→
    アクセス、有難うございます。
    ショッピングモールに出かけるワクワク感と、「何かが違ってるんじゃないか」・・・という奇妙な感覚は背中合わせですよね。そういうスリルを感じているうちはまだしも、麻痺してしまったらこの後の世界はどうなってしまうのか・・・心配でなりません。
    まだ途中ですが、読み進めていくうちに、何かの解答が得られるかも知れませんね。