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date 2008.11.28
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イラストレーターという仕事を守る(2)


「1ダウンロードごとにギャランティが派生するので、イラストを描いて欲しい」。こんな誘いで、webの仕事が来ることがある。僕は絶対に乗らない。通常、デザイン業務というのはクライアントがあって成り立つもの。描いたイラストがもたらす経済波及効果などから割り出された対価を頂く事で生活している。雑誌であればページあたりの予算は発行部数や広告収入などからきちんと割り出されている。しかし「1ダウンロードごと」いうのはどうなのだろうか?もし、ダウンロードされなければギャランティはゼロ、なのである。そして10〜20ダウンロードされたところで、労力に見合った収入にはならないのである。これはもはや仕事ではない。運営側がリスクを背負っていない部分が一番の問題である。「お小遣い稼ぎになるかも知れない」と思って参加する人も沢山いるので、このような商売が成り立つのだろうと思う。そして、そんな中から有名なイラストレーターが生まれる可能性もあるのだろう。しかし、このような流れには独特の・・・妙な気配がある。そういう「気」が漂っている場所には近づかない事にしている。

Comments: 4 comments

  1. 〉これはもはや仕事ではない。運営側がリスクを背負っていない部分が一番の問題である。
    深く共感します。私の業界でもそのような傾向が加速しているように思われます。
    デザインと言われる物が、ある意味、市民権を得て身近(軽快)になってきた代償なのでしょうか?
  2. 110さん→
    建築業界において、リスクを負わない業種・・・というのは・・・・もしかして、以前にお聞きした話に出てくる、あの業者でしょうか?
    仕事の流れや仕組みだけを利用して、実際には何もしないという人が増えるというのは、本当に困ったモノです。デザイン、軽々しく用いて欲しくない言葉ですよね。
  3. オカモト侍

    そこらへんのデザイナーです。
    イラストのギャランティーについて調べてて、たまたま通りがかったんですが、言われてる事に激しく共感するものがありますね。
    私もこの手のビジネスモデルには絶対乗っかりません、だいたいが体の良い搾取行為だと思ってます。
  4. オカモト侍さん→
    コメント、有難うございます。
    少しでも僕の考えに共感していただけると、ホッとします。
    最近は、サイドビジネスとしてイラストを描いている人が増えている様です。宝くじの様な「当たればラッキー」的なスタンスの人たちと、自分を区別して生活していかなくてはいけませんね。こういうビジネスは、作り手、受け手の質が上がれば淘汰されると思うのですが・・・。