鹿児島大学公開討論会に出席
鹿児島大学法文学部の公開討論会に出席してきました。
「アートとマスコミとの関係について考える〜KTSナマ・イキVOICEの事例を中心に〜」というテーマでした。
司会進行は、昨年「ウィンドウ・ショッピングの世界展」でお世話になった鹿児島大学准教授の井原慶一郎さん。パネリストはKTSナマ・イキVOICE番組ディレクターの下前原章子さん、同じく音効スタッフで、KTSアートマーケットの歴史をご存じの万善弘美さん、そして私マティックの3名。
前半は、鹿児島でアートマーケットが立ち上がってからこれまでの経緯を、スライドとビデオで説明。後半はマスコミとアートの関係性はどうあるべきか、討論が行われました。
マスコミと市民、そしてアーティストの結びつきという点では、既に十分すぎる程。全国でも珍しい盛り上がり方を見せているイベントとなっています。僕は、何度か審査員として呼んでいただいた体験を基に、その現象の背景にあるもの、これからの展望などについて語ったつもりです。果たして伝わったのかどうか、解らないのですが。おそらく、全国的にサイドビジネス的感覚でアートに手を出す人が増えていると思うんです。デジタル技術が行き渡る様になってから、写真も音楽も、ハイアマチュアが多くなった。セミプロも増えた。そういうゾーンにいる人たちは一体何をもたらすのか。僕としては、全てを脱ぎ捨ててプロフェッショナルを目指す人が増えない限り、鹿児島は豊かにならないのでは?と問いかけてみたかったんです。鹿児島は既に生活水準が高いので、苦み走った顔でアートを続けるのが難しい土地ではあると思いますが、全国に投げかけるだけの人材と体力はあります。作家個人個人が努力をして、パイプを延ばしたり太くしていくしかないのかも知れません・・・。そこにマスコミがどう関わるのか、今回のテーマでは一番難しい部分でした。具体的には、傍観するのか、強力にプッシュするのかという選択ですね。いずれにしてもアートマーケットがきっかけとなり、鹿児島が変わる日を心待ちにしています。
テディ
2009/01/07 01:16
購入した外国人が新築した家に
飾るというのを見て、
絵画とは美術館で見るものとの
先入観が打ち砕かれました。
又、画廊で買うより粋に見えました。
マスコミにはアートを購入する事で
日常生活に彩を添えることが出来ると言うことを
啓蒙して欲しいです。
あと、個人的にはアートマは地産地消が理想です。
pta
2009/01/07 01:33
本年もマティックさんのブログでいろいろ勉強させていただきます。
このような興味深い討論会が行われていたことまったく知りませんでした。一般の入場もありだったのでしょうか?
>>全てを脱ぎ捨ててプロフェッショナルを目指す人が増えない限り・・の件は同感です。アートに限らず、すべての職種に言えることだと思います。
いずれ機会がありましたら、どういうお話だったのか聞かせていただきたいです。
[関連?]ご存知かもしれませんが、こんな記事が・・
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200812180219.html
マティック
2009/01/07 06:29
アートマの果たしている役割は非常に大きいですよね。テディさんの様な方が増えて、作家側もきちんと生活出来るようになるといいのですが・・・。マスコミが啓蒙していく事については、番組スタッフではないので何とも言えませんが、もっとアートについて通常のニュースで多く取り上げてもいいのでは、という話をしました。数字を取るのが難しいらしいのですが・・・。
アートマのイベント本体は地産地消がいいのかも知れませんね。ただ、それをきっかけに県外に才能を売り込もうとする作家が少ない様に思います。鹿児島の農作物は、地産地消と言われる一方で県外の方にもかなり評価されていますよね。
ptaさん→
今年もよろしくお願いいたします。今回の公開討論会、一般の方も受講出来た様です。事前にお伝えすれば良かったのですが、どんな授業なのか僕自身も想像がつかなかったので事後報告になってしまいました。
坂本龍一氏の記事、知りませんでした、情報、有難うございます・・・今日の討論中には言葉足らずで表現しきれませんでしたが、僕が言いたかった事をほぼ完璧に代弁してくれています。坂本氏ほどの経歴は勿論ありませんが、僕も職業としてイラストを描いている事に誇りを持ってきました。自分からアーティストと名乗ることが決してないのは、職人の意識があるからです。ところが最近、巷で(自称)アーティストが増えた事でこれまでの価値が揺らいでいる。若い方は、それがイイ事であるという認識で活動している様です。近くのカフェで行われた二次会では、このままでは自分の仕事がなくなる・・という話しもしたんですよ。
pta
2009/01/07 09:17
もっと掘り下げて聞きたい部分です。この話題、安易にレスポンスするわけにいかないので、またゆっくり書きます。デッドラインが近いのです(汗;)
マティック
2009/01/07 21:00
おそらく、アーティストの裾野が広がることで全体的なレベルが上がるという意味での活動している、という趣旨だったと思います。草野球のチームが沢山出来て、いずれはプロ野球、もしくはメジャーへ・・という事なのか・・・。難しいです。この問題。僕は、やはり最初から目標を掲げないと、一生草野球になってしまう危険性があると思っています。
にしおかりえ
2009/01/08 22:14
お年賀ありがとうございました。
とても嬉しかったです。
この公開討論会お伺いしたかったのですが
事情が会って出向く事ができませんでした。
先日のアートマや近年いろいろな催しなどがある中で
感じる違和感というのがあります。
(上手く言えませんが。)
この厳しい情勢の中
イベントで展示して、販売してというのは
厳しくなっていくのではと思うのですが。。。。
そういうのもふまえて
一度先生ともじっくりとお話を伺いたいと
思っている次第であります。
マティック
2009/01/09 04:07
コメント、有難うございます。
違和感というのは、にしおかさんの様なプロであれば、誰しもが感じていることだと思うんです。一方、趣味で、年に一度のお祭りとして捉えている方達には楽しい筈です。これからどうなっていくのか、僕には解りませんが、KTSの方達は、とても真摯な姿勢で取り組んでいらっしゃいますので、良い方向に進むと思っています。