ビデオアート以前/以降の問題
先日行われた「む展」で発表した「The Strange Friends」という作品。今回は映像自体の質感を重視しようということで、まずは9インチのモノクロブラウン管の調達から始まりました。どうしても取り入れたい演出が、ブラウン管でないと実現出来ない。いろいろと調べた挙げ句、防犯用のモデルを秋葉原のお店から取り寄せたんです。一度撮影した素材を、このモニターに流して垂直同期やコントラストのツマミをいじって、乱れた状態をまた撮影。画面がスクランブルする感じは液晶では出せませんからね。そんな素材を、自分のイラスト、動画などと組み合わせて3分程度の作品が仕上がりました。
市立美術館の片隅に白黒のモニターが置かれている状況、来場者にどのように映ったのかは解らないのですが、残り2日となった時に、それは起こりました。誰かが、スクランブル風の映像を「演出」ではなく「故障」だと勘違いして、モニターのつまみをアレコレといじってしまったんです。現場を見た訳ではないのですが、僕が次の日に訪れた時には、真っ白な映像が流れていました。
「む展」に来場される年齢層は幅広いので、おそらくは年輩の方が好意的に触ってしまったのでしょう。逆に若い世代からは、そのスクランブルシーンについて「そういうフィルタがあるんですか?」という質問を受けました・・・つまり画面がブレたり、歪んだりというのはひとつの場面という認識。両者の間にもの凄い意識のズレがあります。
いろんな世代に向けて共通のメッセージを投げかけるのは難しいですね。メッセージという程大袈裟なものではなかったんですけれども。
タカタ
2009/06/17 16:22
「The Strange Friends」、観てみたかったです!
世代を超えて理解されるもの…
マテ先生が、たしか鹿児島に行って間もない頃に
「東京で評価されたセンスもここでは理解されない場合もある…」
というような事をどこかで書かれていたのを思い出して、
それとどこか似ているような気がしました。
ところで、今日はお誕生日ですね。
おめでとうございます!!
これからのますますのご活躍に期待してます!
マティック
2009/06/17 21:43
「東京で評価されたセンス・・・・」の発言については、スミマセン、覚えていませんね。どういうニュアンスだったのか解りませんけど、今回の場合は土地に起因するものではなく、世代間ギャップですよね。そんな訳で、基本的には、鹿児島発世界行き、同世代に向けて創作活動をしていくしかないと思っています。
そうなんです。今日は誕生日でした。素直に喜べる年齢ではないんですが、これからもイラストレーターとして出来ることを地道にやっていきます!